28日 原油は小動き、強弱材料交じり方向観を欠く
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(1月限)は前日終値と比べ横ばいの68.72ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(1月限)は同3セント安の72.80ドル/バレルと、小動き。 28日アジア時間午前の原油相場は小動き。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、強弱材料が交錯し方向観が付きづらい相場が続いているという。 弱材料としては、27日に浮上したイスラエルとヒズボラの戦闘を巡るイスラエルとレバノンの停戦合意により、地政学的リスクが一巡し上値を重くしている。くわえて米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が27日に発表した週間在庫統計によると、特にガソリンはサンクスギビングデーを控え市場は当初、減少を予想していたもののこれに反し大幅に増加しており、足元の需給の緩みを意識させたという。 一方で同在庫統計によると原油在庫は約184万バレル減少しており、相場を下支えした。 市場の注目は、12月1日の石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による閣僚級会合の行方へ移っている。会合の焦点として、「減産緩和の延長期間が挙げられる」(野神氏)。すでに相場は3カ月の延長を織り込み推移しているため、「3カ月以下だった場合は、相場に下方圧力を加えることになりかねない」と野神氏は指摘した。 日経平均株価は前日比161円81銭高の3万8,296円78銭で推移している。ドル円相場は1ドル=151.43円と、前日の17時時点(151.96円)と比べ、ドル安・円高方向に振れている。
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