LPG=3月17~21日: 日本の需要家が買い付けに動く
CFR極東:
先週の極東着市場は買い気の後退を背景に下落した。Rim Asia Indexは3月20日時点で、プロパンが597.75ドル、ブタンが587.75ドルといずれも3月14日比11.50ドル安。トレーダー勢による買い気が一服したうえ、中国プレーヤーによる新規需要が少なかったことから、相場は下押しされた。一方、日本では複数の最終需要家が買い付け入札に動いた。日本の大手都市ガス1社が入札を通じて5月着プロパン2万3,000トを手当てしたもよう。さらに、日本の製鉄大手1社も4月後半~5月末着ブタン1万1,000トンを買い付けたと伝えられた。このほかにも、日本の石化1社が4月後半着ブタン1万2,000トンを対象とした買い付け入札を実施したが、応札価格が希望価格を上回ったためにこれをキャンセルした。
FOB中東:
4月CPはプロパンが610ドル、ブタンが600ドルで予想されている。4月積みでは、供給にタイト感が生じている。サウジアラムコが4月積みのアクセプタンスを20日に提示。アラムコはプロパン、ブタンいずれにもマイナストレランスを課したとみられる。サウジアラビアでは、石化用の国内需要が堅調なため、アラムコからのLPG供給がタイトになっているとの見方が寄せられた。このなか、4月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンの商談水準は4月CP対比10ドル台後半のディスカウントに上昇していると市場関係者は指摘する。5月積みでは、中国輸入1社にプロパン/ブタン各2万2,000トンの販売余地があるもよう。
日本国内:
3月渡しの陸上京浜のプロパンは99,000~100,000円と、前週から小動きで推移した。月内商談が一巡し市場の動きが鈍かった。月前半に積極的に販売を進めていた元売り各社も月後半に入ってからは模様眺めに徹していた。買い手からの引き合いが乏しいことも市場の活気を削ぐ要因だった。元売り各社が4月仕切り価格を大幅に引き下げるとの見方から先安見通しが強く、買い気が盛り上がりに欠けた。3月末にかけては気温の上昇に伴い出荷が徐々に減少するとの見方も少なくなかった。年度のターム玉の引き取りを優先し、スポットの調達枠がないとする卸業者も散見された。
海上市場では、大手製鉄会社1社が3月渡しで2度目の買い付け入札を実施した。27日納めのブタン1隻が対象だった。同社は11日納めでも同荷姿の買い付け入札を実施していた。ただし、落札者や落札価格などは明らかにならなかった。