中国=ポリエステル原料の市況動向
中国政府が10月の国慶節の連休入り前に経済刺激策を打ち出したことを受け、多くの商品先物相場、株式相場に上昇の兆しが見られていた。こうした状況下、ポリエステルの主要原料となる高純度テレフタル酸(PTA)とエチレングリコール(EG)相場も一時的に堅調となった。ただし、連休後は、PTAの誘導品メーカーは在庫消化を進めており、PTAに対する買い気が強くない。EGは港の在庫が減少している一方、誘導品メーカーが設備の稼働率を引き上げる傾向にあるため、需給に引き締まり感が出ている。
先行きについては、誘導品メーカーが装置の稼働率を高水準で維持しており、PTAのスポット需要は続くと見られる。一方、これまで定修入りしていたPTA設備が再開し始めており、供給に潤沢感が出ている。このため、相場が大幅に上昇することは考えにくいという。
EGについては、このところ原油市況が軟調となっているうえ、エチレンなど原料コストが下がっている。一方、港の在庫が多くないため、相場には大きな変動が出ないとの推測がある。PTAの原料であるパラキシレン(PX)では、寧波Daxieの設備(年産160万トン)が10日から定修入りしており、国内の設備の稼働率が下がる見通し。一方、PTA設備の稼働率が高いため、需給に引き締まり感がある。
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