中国のベンゼン市場に供給タイト感が出ている。輸入品の到着量が少ない一方、売れ行きは好調で、特に華東地域の港の在庫消化が早い。また、華北の製油所がガソリンなど石油製品の生産に注力しており、ベンゼンを含む芳香族製品の生産が減っている。加えて原油市況が高値で推移しており、原料コストが高いことも相場を支える要因となっている。
ただ、採算面では悪化しており、誘導品メーカーの買い気が乏しくなっているとの指摘も聞かれる。来週以降は、中国が旧正月の連休に入るため、売買取引が薄まりつつある。
先行きについては、誘導品設備の稼働状況に加え、原油市況動向および中国政府による経済刺激策などにも関心が集まっている。