欧州エネルギー取引所(EEX)が運営する日本の電力先物市場は、冬場の最需要期に備えたヘッジ需要の急増を追い風に、取引ペースが一段と加速している。リムの集計によると、10月の月間約定量は7,832GWhと9月の7,474GWhを4.8%上回り、3カ月連続で月間ベースの最多記録を更新した。
1~10月の累計約定量も5万7,280GWhに達し、2023年通年の約定量である1万8,299GWhに対する進捗率は313%となった。足元のペースが続けば、2024年通年の約定量は2023年の4倍規模に膨らむ可能性が高そうだ。
また、EEXは早ければ今月にも、季節物の対象期間を現行の4シーズンから8シーズンに延長する予定。さらに来年1~2月には、会計年度物(4月~翌年3月の受け渡し)を導入することを計画している。流動性の向上が新たな取引参加者の呼び水となる好循環が今後も続きそうだ。
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