大ガス=炭素クレジットの品質、生成AIによる評価システムを構築
大阪ガスはカーボンクレジット(炭素クレジット)の品質を評価するシステムを構築した。二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの削減、除去、吸収量を国家間や企業間で取引できるように認証した炭素クレジットについて、生成AI(人工知能)により分析する。炭素クレジットの評価を第三者に委託する場合、一般的に1~2か月を要していた期間を、新システムにより数十秒程度に効率化することが可能という。 炭素クレジットは、既存の設備からより高効率な設備への更新などにより創出される削減系や、植林・バイオ炭の農地への施用など、植物や土壌にCO2が固定され、大気からCO2を除去することにより創出される除去・吸収系などに分類される。一方、炭素クレジットの利用では適切な品質評価が、見せかけの環境配慮である「グリーンウォッシュ」や価格の変動リスクを回避するうえで重要。 大ガスのシステムは、炭素クレジット創出プロジェクトの計画書を生成AIで分析し、実際のクレジット認証時に設定された基準と、環境のイニシアティブ(取組)や格付会社の基準との整合性を調べ、品質を評価する。システムによる品質評価の精度については、格付会社などにより過去に評価された結果と比較した範囲では、高い精度を実現していることを確認した。 大ガスは、AIを駆使することで膨大な炭素クレジット創出プロジェクトを評価することができるため、炭素クレジット創出プロジェクト間の品質の相対評価も実現できる可能性があるとしている。今後、評価精度の向上やシステム改良、適用分野拡大などに向け開発を継続する。
(炭素クレジットとシステムの利用、イメージ) 図の出所: 大阪ガス 発表資料(4日) 注) PJ=プロジェクト、 ボラティリティ=価格変動の度合い
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