横浜市・東ガス=合成メタン由来「クリーンガス証書」で環境価値を移転
横浜市と東京ガスはこのほど、「クリーンガス証書制度」に基づき、東ガスが製造した合成メタン(eメタン)を由来とするクリーンガス証書の環境価値の移転に合意した。横浜市は同証書を、同市のガス灯使用で排出する二酸化炭素(CO2)の相殺に一定期間、充てる。今年4月から運用が始まったクリーンガス証書制度で合成メタン由来のクリーンガス証書の環境価値移転が行われるのは日本初という。 クリーンガス証書制度は、燃焼しても大気中のCO2が増えないとみなせる価値(環境価値)を持つ合成メタンやバイオガスを対象に、クリーンガスとしての証書を発行する制度。クリーンガス証書の発行事業者は日本ガス機器検査協会。 同制度で今回、認められたクリーンガスは369ノルマル立米。横浜市は山下公園通りにある42のガス灯の使用で排出するCO2を証書で相殺する。相殺期間は「ガスの記念日」である10月31日から認証量が尽きる年内の日まで。 横浜市と東ガスは2023年7月から三菱重工グループと共同で市のごみ処理施設の排ガスから分離・回収したCO2を市内にあるメタネーション実証設備に輸送し、再生可能エネルギー由来の水素と合わせて合成メタンを製造する実証を進めている。東ガスは、実証で今年7月1日から31日の間に製造した合成メタンを基にクリーンガス証書を取得した。証書の発行日は10月17日。
(合成メタン実証でのクリーンガス証書制度の活用・概要) 図の出所: 横浜市、東京ガス 発表資料(10月28日) 注) メタネーション: 水素とCO2から人工的にメタンを合成する技術
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