東証=「超過削減枠」取引を導入、GXリーグ企業間でCO2削減量を売買
東京証券取引所は1日、企業の温室効果ガス削減量である「超過削減枠」の売買をカーボン・クレジット市場で開始した。初日は様子見で取引が見送られ、出合いがつかなかった。超過削減枠は、脱炭素を推進するための枠組み「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ」に参加する企業の排出削減量で、GXリーグ事務局が発行する温室効果ガスの量。GXリーグの排出量取引制度(GX-ETS)の規定に基づき、削減目標と比べ排出量の多い企業は、少ない企業が創出した超過削減枠を購入することにより、排出量を削減したとみなすことが可能になる。 東証は当面、超過削減枠の取引を週1回、実施する。毎週金曜日の15時の取引で、売買注文の受付は8時から14時59分まで。売買は売り買い双方の注文から合致する値段をつけ合わせて約定させる「板寄せ」方式で行う。注文は二酸化炭素(CO2)1トン単位で1円刻みの指し値。取引水準の目安の役目を果たす基準値段の上下90%を制限値幅として設定する。1日の基準値段は1,738円だった。1日の取引終了後に設定された次回8日の取引に向けた基準値段は変わらずの1,738円。 一方、東証が超過削減枠を導入したカーボン・クレジット市場では既に、政府が温室効果ガスの吸収・削減量を認証する「Jクレジット」が取り引きされている。東証のまとめによると、昨年10月11日の市場発足以来、今年10月25日までに、Jクレジット(前身のJ-VERなどを含む)の売買高は合計54万7,600トンに達した。一日の平均は2,148トン。合計売買高のうち、再生可能エネルギー(電力)由来のJクレジットが37万4,778トンと68.4%を占める。再エネ電力のこれまでの約定価格は加重平均が3.671円、最安値が1,500円、最高値が5,500円。
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