電力=10月14~18日:価格は東が軟化し西が上昇、気象動向が影響
10月14~18日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本(50Hz)が下落した一方、西日本(60Hz)は上昇した。東日本では、徐々に暑さも和らいだが、西日本ではほぼ連日25度以上となり、東海や九州では30度前後まで上昇する地域もあった。定期点検などで停止する発電設備が多く供給余力が低下しているなか、冷房需要が低下しないため、需給が引き締まり傾向となり、西日本の価格を押し上げる要因となった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、14日が3.91円、15日が1.89円、16日が2.46円、17日が1.94円、18日が0.70円の東高西低となり、前週に比べ東西値差は縮小した。
燃料相場は、前週末からLNG、石炭、原油のいずれも下落した。 北東アジア市場のLNGスポットは、17日時点で期近の24年12月着品がmmBtuあたり13ドル台半ばとなり、前週末時点(10月11日)から0.2ドル程度の下落となった。欧州の天然ガス相場が軟調に推移する日が多かったことや、引き続き供給が潤沢となり、相場を圧迫した。経済産業省が16日に公表した、10月13日時点の発電用LNGの在庫は208万トンとなり、前週から6万トン増えた。前年10月末時点の219万トンを下回ったが、過去5年平均の202万トンを上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、17日時点で24年10月積みがトンあたり145ドル台後半となった。前週末から3ドル程度の下落。ガス価格や原油相場の下落に連動した。 原油相場は、18日午後の時点でWTIの24年11月物がバレルあたり71ドル超、ブレントの24年12月物が74ドル台後半で推移した。前週末からWTIおよびブレントともに4.5ドル程度の下落となった。中国の需要減少懸念や中東情勢の過度な警戒が和らいだことで、原油先物は売り圧力が強まった。
週を通じた実勢高値は、18日に西日本6エリアとシステムプライス(SP)で付けた33.25円となった。一方、実勢安値は14日に西日本6エリアで付けた1.00円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.19円高の13.86円、東北が同0.25円高の15.05円、東京が同0.46円安の15.41円、中部が同1.84円高の13.33円、北陸と関西が同2.75円高の13.23円、中国が同2.77円高の13.23円、四国が同2.74円高の13.11円、九州が同3.94円高の12.99円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比14.2%減の8億6,408万6,920kWh、買い札が同横ばいの9億750万2,860kWhとなった。約定量の週間平均は、同6.4%減の6億3,067万6,910kWhだった。
10月14~18日の9エリアの電力需要は、107億4,019万8,000kWhとなり、前週10月7~11日の108億5,035万4,000kWhから1.0%減少した。なお、曜日を合わせた前年の10月16~20日の需要実績は105億4,064万7,000kWhで、増加率は1.9%となった。
10月14~18日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
10月14~18日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。225件の約定があり、取引ロットが1,216MW、取引数量が15億2,329万2,000kWhだった。
10月第4週の電力スポットは、第3週に比べ軟化傾向となりそう。25度以上の夏日が連日続いた西日本でも、週半ば以降から暑さが緩む見通しで、価格も下押す動きになるとみられる。ただ、定期点検に入る火力発電が一段と増えるため、供給余力はさらに低下することから、価格の下げ幅は限定的になるとみられる。
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