電力=11月4~8日:電力スポットは続落、秋らしさ深まり需要低下
11月4~8日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに続落した。4日が祝日となったほか、秋らしさが一段と深まったことで冷暖房ともに空調需要が鈍化し、価格も下押す動きとなった。また、太陽光発電に恵まれた日も多くなり、九州や四国では0.01円を付ける日が多くなった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、4日が3.15円、5日が5.23円、6日が5.45円、7日が2.54円、8日が4.11円の東高西低となった。
燃料相場は、前週末からLNGと石炭が軟化し、原油が上昇した。 北東アジア市場のLNGスポットは、11月7日時点で期近の24年12月着品がmmBtuあたり13ドル台前半となり、前週末時点(11月1日)から0.35ドル程度の下落となった。欧州の天然ガス相場は堅調に推移したものの、北東アジア市場の需給緩和感が解消されず、相場は下押した。経済産業省が6日に公表した、11月3日時点の発電用LNGの在庫は212万トンとなり、前週から5万トン増えた。前年11月末時点の216万トン、過去5年平均の213万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、7日時点で24年11月積みがトンあたり142ドル台前半の水準となり、前週末から3ドル近い下落となった。ガス価格の下落に連動して軟化した。 原油相場は、11月8日午後の時点でWTIの24年12月物がバレルあたり71ドル台後半、ブレントの25年1月物が75ドル台前半で推移した。前週末から、WTIが2.5ドル程度、ブレントが2ドル超それぞれ上昇した。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の増産延期が引き続き材料視されたほか、ハリケーン「ラファエル」の発生で米メキシコ湾岸の石油生産に影響が出るとの見方も買いの動きを強めた。さらに、米国のトランプ次期政権が、産油国イランやベネズエラに対する制裁を強化する可能性があることも強材料となった。
週を通じた実勢高値は、6日に東日本で付けた21.00円となった。一方、実勢安値は0.01円となり、九州は連日で付けたほか、6日と7日は四国でも付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.26円安の13.86円、東北が同0.54円安の13.77円、東京が同1.34円安の13.93円、中部が同0.20円高の11.81円、北陸、関西、中国が同0.23円安の9.83円、四国が同1.13円安の8.89円、九州が同1.07円安の8.89円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比5.2%増の10億4,306万2,400kWh、買い札が同0.2%減の8億6,915万4,200kWhとなった。約定量の週間平均は、同3.8%増の6億8,999万7,850kWhだった。
11月4~8日の9エリアの電力需要は、104億1,086万1,000kWhとなり、前週10月28日~11月1日の104億2,171万2,000kWhから0.1%減少した。なお、曜日を合わせた前年の11月6~10日の需要実績は106億2,657万6,000kWhで、減少率は2.0%となった。
11月4~8日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
11月4~8日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり
11月11日の週の電力スポットは、4日の週から大きな変動はなそうだ。気温が再び上昇する見通しだが、引き続き冷暖房ともに不要の陽気になるとみられ、需要動向に目立った変化はないとみられる。ただ、週後半になると天気が崩れる予報のため、太陽光発電も減少し、週後半に向けて価格は上昇するとみられる。
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