アジア石油製品=11月11~15日:0.001%S軽油、中国系トレーダーがショートカバーに動く
ガソリン ノンオキシー品市況上昇、豪州からの買い気強まる 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は前日から上昇した。夏場の需要期に差し掛かっている豪州向けの買い気が強まっている。北東アジアでは今週、多数の石油会社が12月積みのスポットの販売に乗り出していた
ナフサ 下落、需要の弱さ目立つ 12月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は下落。スポット需要の弱さが目立った。輸入国の1つの韓国で12月、年度末を迎えるとあり、ナフサのスポット需要は少ない。また、精製マージンの改善を受けて、製油所の稼働率が上向くとの観測もある。一方で、1月着の商いでは、韓国からの買い気が回復すると見込まれている。 韓国1社は入札で、12月後半着ヘビーフルレンジ・ナフサを購入した。価格はCFRベースで日本市況に対し、Aグレードで10.50ドルのプレミアム、Cグレードで5.75ドルのプレミアムだった。日本の石化1社は2025年1~12月のターム交渉を実施済み。価格はCFRベースで市況に対し、約1~2ドルのプレミアム(45日前)とみられる。 装置関連で、韓国ではGSカルテックスがナフサクラッカーの定期修理を実施中だ。11月29日ころまで続く予定で、エチレン生産能力の増強工事も実施しているという。同社らの合弁企業によるエチレンの誘導品設備が25年後半に稼働を開始する計画。その間、フル稼働すると供給過剰となる公算が大きく、クラッカーの稼働率を抑えて生産量を調整する可能性がある。
中間留分 灯油市況は下落、日本の買い気弱く 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は変わらず。様子見の雰囲気が強い。米国の市場関係者によると、アジアと米国のアービトラージは以前に比べると縮小したものの、引き続き開いている状態。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は軟化した。持ち込み先の日本からの引き合いが弱く、上値は重たい。日本では気温の高さと製油所の安定稼働を背景に、国内の灯油在庫は積みあがっている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は前週から下落。12月上旬の中国勢の買い気がおおむね一巡したことを受けた。中国系の企業はひところ、中国積み品の売りが少ないことから、国際マーケットで玉の調達を進めていた。韓国1社は入札を通して12月10~12日積み0.001%S軽油MR船型1カーゴを販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況対比30セントのディスカウント。韓国勢は足元の堅調なクラックマージンを背景に、12月積みのスポット販売への意欲が旺盛。
重油 需給緩和感台頭で下落、ナイジェリアの輸出も増加 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落した。需給緩和感の台頭が弱材料となった。韓国や中国などではこのところ、一部の石油会社が他油種に比べて精製マージンが堅調に推移している0.5%S重油の得率を増やす傾向にあるという。おおむねバンカー市場への供給に注力しているものの、一部はカーゴによる輸出も手掛けており、北東アジア域内でも余剰感が強まっている。加えて、ナイジェリアのダンゴテ製油所(日量65万バレル)はこのところ、スエズマックス型船で毎月4~5カーゴ、数量は60万トン余を輸出しているもようだ。一部はアジアに持ち込まれており、供給過多の一因になっている。
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