電力=11月18~22日:電力スポットは前週比で上昇、気温低下や分断動向で
11月18~22日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに上昇。東日本では、関東などで気温低下が進んだため暖房需要が増加し、市場調達の動きが強まったため、価格も上昇した。西日本では、比較的過ごしやすい陽気となったが、分断動向が価格に大きく影響した。週を通じた東京中部間の分断数は89コマとなり、前週の103コマから減少したため、割高な東日本の価格の影響を受けた。また、四国では連系線作業の影響で本州との分断が多発したため、割安な四国から本州向きの潮流が減少し、これも西日本の価格を押し上げる材料となった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、18日が1.47円、20日が2.16円、21日が3.14円、22日が2.81円の東高西低となり、19日のみ0.34円の西高東低となった。
燃料相場は、前週末からLNGと原油が上昇、石炭はほぼ横ばいだった。 北東アジア市場のLNGスポットは、11月21日時点で期近の25年1月着品がmmBtuあたり14ドル台後半となり、前週末時点(11月15日)から0.30ドル程度の上昇となった。前週に続き、欧州の天然ガス相場が騰勢を強めたことを映し、北東アジア市場のLNG相場もつれ高となった。欧州では、気温低下や風力発電の低下がガス需要の増加を招き、相場を押し上げる材料となっている。また、北東アジア市場ではトレーダーによる買い戻し需要も散見され、相場の強材料となった。経済産業省が20日に公表した、11月17日時点の発電用LNGの在庫は228万トンとなり、前週から7万トン増えた。前週からの積み増しは3週連続。前年11月末時点の216万トン、過去5年平均の213万トンをいずれも上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、21日時点で24年11月積みがトンあたり141ドル台半ばの水準となり、前週末とほぼ同水準だった。 原油相場は、11月22日午後の時点でWTIの25年1月物がバレルあたり70ドル台前半、ブレントの25年1月物が74ドル台前半の水準で推移した。前週末から、WTIおよびブレントともに3ドル超の上昇となった。ウクライナ情勢の緊迫化が強材料となった。
週を通じた実勢高値は、18日の中部、北陸、関西、中国の4エリア、19日の西日本6エリアで付けた24.52円となった。一方、実勢安値は20日と22日に四国で付けた0.01円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比2.18円高の15.47円、東北が同2.43円高の15.75円、東京が同2.50円高の16.19円、中部が同3.09円高の16.18円、北陸、関西が同2.36円高の14.34円、中国が同2.09円高の14.07円、四国が同1.17円高の10.93円、九州が同2.72円高の12.82円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比5.4%減の10億1,448万4,080kWh、買い札が同23.8%増の9億8,326万4,150kWhとなった。約定量の週間平均は、同4.1%増の7億2,706万5,670kWhだった。
11月18~22日の9エリアの電力需要は、114億2,591万2,000kWhとなり、前週11月11~15日の106億2,117万kWhから7.6%増加した。なお、曜日を合わせた前年の11月20~24日の需要実績は112億4,227万9,000kWhで、増加率は1.6%となった。
11月18~22日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
11月18~22日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり
11月最終週の電力スポットは、大きな値動きはない見通し。気温は比較的過ごしやすい見通しで、北日本を除き暖房需要は限定的になるとみられる。なお、週初と週末を除き天気は雨模様になると予想されており、週初と週末は昼安夜高、週半ばは昼夜でほぼ同水準の価格になるとみられる。
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