アジア石油製品=11月25~29日:オキシーガソリン下落、フレート高と中東品増加で
ガソリン 中国勢、11月積みの売りを強化 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は下落。フレートが高止まりし、FOBベースの相場への下押し圧力が強まった。年末に近づき物流が増え、フレートが堅調な様子だ。このうえ、中東品などが引き続きアジアへ流れ、シンガポール周辺地域では供給に引き締まり感がない。中東では12月にジザン製油所(日量40万バレル)が定修を予定していたが、これが来年の3月ごろに延期されるようだ。 一方で中国の石油会社は11月積みの輸出を増加させている。同国では12月から増値税の還付率が縮小されることが主な要因。
ナフサ 市況横ばい、クラッカー稼働率は低調 1月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。12月後半着商戦から続いている需給緩和感が解消されるかどうかが足元の注目点として挙げられた。ただし、韓国をはじめとする北東アジアのナフサクラッカーの稼働率が上がる兆しは見られず。 中国では2025年も新規のナフサクラッカーの立ち上げが予定されており、中国のナフサ需要は増加する見通し。しかし、他国のナフサクラッカーが稼働率を引き下げたり、稼働を停止したりする可能性があり、アジア域内の需要は相殺されるとの見方が示されている。独立系精製会社裕龍石化(Shandong Yulong Petrochemical)がナフサクラッカーの試運転を開始済み。ただし、石化品の経済性が振るわないこともあり、商業運転に移行しないとの情報がある。 韓国の石化1社は入札を通じて、1月前半着ナフサをCFRベースで同市況に対し、約1.00ドルのディスカウント(30日前評価)で購入した。
中間留分 軽油、10ppmは上昇も500ppmは下落 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は前日から横ばい。日本の石油1社は製油所の脱硫系の装置を停止させており、灯油の精製が減少している。市場関係者によると、同社は製油所不調を受けて、これまでに韓国と中国積みとして灯油スペックをMR船型で3カーゴ購入済みという。韓国勢はターム契約によるジェット燃料の供給を優先しているほか、国内の灯油の内需増加に対応するため、スポット市場での販売を抑えているとみられる。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇した。需要増の見通しから、先行きの需給に引き締まり感が指摘される。欧州地域では冬場の暖房用の軽油需要が増えているようで、同地域向けの買いが期待されている。また、豪州やニュージーランドでは夏場に差し掛かっており、輸入需要が増えそうだ。一方、中国や韓国などから輸出が少なく、北東アジアの供給に引き締まり感がある。台湾1社は2025年年間ターム契約がまとまりつつある。数量は月間で30~45万バレル。価格は同市況比40セント程度のプレミアムという。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟化。需給の引き締まり感が後退している。インドネシア国営プルタミナによる買い気も11月比で落ち着いているという。
重油 HSFOの需給引き締まり感続く 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は変わらず。ただし、需給引き締まりを受けて相場の基調は引き続き強い。石油各社からの出物が限られる一方、一定の需要が続いている。市場関係者によると、中国の一部の独立系石油会社やトレーダーが、北東アジア域内で高硫黄重油(HSFO)を物色している。製油所の基材あるいはバンカー市場向けとみられる。 京浜のVLSFO相場は、11月27日に561.50ドルと11月20日時点から15.00ドル下落した。シンガポール0.5%S重油先物安を受けた。韓国、中国など競合港との需要争奪戦に敗れ、11月の月間販売枠を未消化で終える商社がみられた。12月は例年、需要が落ち込む傾向にあるため、月初から積極的に販促を仕掛ける動きが活発化。日本の相場は韓国、中国の水準を大きく下回る傾向にある。
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