LNG=12月16~20日:北東アジアの需要低調
DES北東アジア相場は先週、期近着が13.50.ドル前後と前の週から下落した。蘭TTF市場は神経質な値動きになったが、北東アジアの需要の弱さを受けた。 北日本や中国、韓国で気温が低下しているものの、スポット調達に積極的な北東アジアの需要家はほとんど見当たらない。東日本の大手都市ガス1社も冬場の需要期に備え、十分な在庫を抱えているという。中国電力が島根原子力発電所2号機(出力82万kW)を再起動させることで、西日本の電力供給に余裕が生じるとの声も寄せられた。このなか、「年内は需要が盛り上がらずに終わりそう」(日本企業) 中国は国営パイプチャイナが運営する「WEN23」をはじめ、地下ガス貯蔵庫の在庫水準がタンクトップに近く、スポット玉の受け入れが物理的に難しい様子。日本商社によると、北東アジア着相場が11ドル台に下がったとしても、中国需要家は買い付けに動かない可能性があるという。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 カタールの財務大臣は、2025~29年の同国における国内総生産(GDP)の成長率が平均で4.1%に達するとの見通しを発表した。この成長見通しは、LNG生産の大幅な増加予想によるもの。カタールではノースフィールド拡張プロジェクトの建設が計画通りに進んでいる。同プロジェクトは2027年までに稼働開始を予定している。
米エネルギー省(DOE)は17日、LNG輸出認可の凍結に対する妥当性を巡る調査報告を発表し、新規プロジェクトの認可に慎重な姿勢を示した。これはバイデン大統領ならびに、民主党が重視する環境政策の観点が色濃く反映された結果のようだ。日本エネルギー経済研究所の橋本裕上級スペシャリストは「この報告によって、トランプ政権に移行後にLNG輸出認可の凍結がすぐ解除されても、将来のLNG輸出許可に反対する訴訟が助長されるだろう」との見方を示した。
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