アジア石油製品=1月20~24日:ガソリン、精製マージンが急速に悪化
ガソリン 精製マージンが急速に悪化 北東アジア積みガソリン(MR船型)の相場は軟調となっている。供給の潤沢感が払拭できず、相場の基調は弱いまま。冬場の暖房需要期が続き、日韓では灯油精製のため製油所の稼働率が高く、ガソリンの生産増に伴い輸出も増えている格好だ。中国による2月の輸出量は合計70万トン程度になりそうだ。また、中東やインド品が引き続きアジアへ流れているとみられ、シンガポール市場では在庫が高止まりしている。このなか、供給に潤沢感が強まり、ガソリンの精製マージンが急速に縮小している。
ナフサ 需要弱く市況軟化 3月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は軟化。需要の弱さを受けた。 誘導品の市況が振るわず、上流のナフサクラッカーの稼働率を抑制する一因となっている。中国国内では最近、一部の石化メーカーが採算性の低いエチレンの誘導品を減産しているという。日本の12月のナフサクラッカーの平均稼働率は78.7%だった。 3月前半日本着ヘビー・ナフサの市況連動相場は横ばい。インドネシア国営プルタミナは24日までに、同国の石化TPPI向けとして3月13~15日トュバン着ヘビーフルレンジ・ナフサ2万2,000~3万3,000トンの買い付け入札を実施。3万3,000トンを購入した。同社は20日締めで、3月16~25日トュバン着コンデンセートの買い入札も実施。トレーダーを経由し、ノース・ウェスト・シェルフ・コンデンセート(NWSC)を購入したとの情報があるようだ。 中東や豪州のコンデンセートの市況は底堅い。経済制裁を背景にロシア産コンデンセートの調達が難しくなり、代替需要がほかの産地に向いている。市場関係者によると、ロシアのエネルギー会社はコンデンセートを国内消費に回す一方で、ナフサを筆頭に石油製品を輸出する方針という。
中間留分 韓国SKエナジーがディスカウントでジェット燃料の販売進める 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟化。買い引き合いが弱いなか、中国からの販売が盛んとあって需給が緩んでいる。中国では栄盛石化が入札を通して2月25~27日積みMR船型1カーゴを販売した。結果は明らかではないものの、市場関係者は割安な水準で交渉が進められた可能性が指摘された。1月積みまでは日本の石油会社が灯油スペック品として強い買い気を示していたものの、灯油需要期のピークアウトを意識し現在買いを抑えている可能性がある。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇。フレート安がFOBベースの取引価格を小幅に押し上げたと指摘された。また、インド積み品の供給量が減少していると見る向きもある。日本のENEOSは2月中旬鹿島、仙台積みとしてMR船型1カーゴを販売した。ニュージーランドに仕向けられるとの情報がある。
重油 需要後退観測で市況軟化 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は軟化。需要後退観測が弱材料となった。ロシア産重油の調達が困難になる一方、中国の需要後退観測が強まっているためだ。1月から重油の輸入関税が従来の1%から3%に引き上げられ、特に重油を精製基材として使用している独立系製油所の買い気が落ち込んでいるという。搬入先を失った大量の重油の行方に関心を示すプレーヤーも散見された。
|
|