LNG=2月17~21日:北ガスが買い付け入札
DES北東アジア相場は先週、期近着が14.30ドル前後まで下落した。ウクライナ戦争の早期終結観測や欧州の気温上昇で蘭天然ガス(TTF)市況の下落を受けた。 北東アジアをはじめとするアジアの広い地域で相場は下落基調にある。中国やインドといった主要な買い手からの引き合いが弱いことが要因だ。Vanir Global Marketsのジェームス・ウィスラー・マネージングディレクターによると「これらの国の輸入業者は12ドル前後まで相場が下がらない限り、追加でスポットカーゴを買うのをためらっている」ようだ。 北海道ガスが3月4日応札の締め切りで2027年起こし最長7年間を対象とした買い付け入札を開示した。この入札には複数のオプションが設けられているようだ。数量については2027年4月~2029年3月は年2カーゴ、2029年4月~2034年3月は年3カーゴとなっている。また数量が年間3カーゴの場合は夏場に1カーゴ、冬場に2カーゴと冬場の調達数量を厚くする。応札価格に対してもブレント原油市況あるいは日本のLNGの輸入単価(JLC)リンクを要求していると伝えられた。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 欧州の製鉄大手アルセロール・ミタルと日本製鉄の合弁企業AM/NSインドは、27日締め切りで2026年起こし3~5年の買い付け入札を開示した。数量は年6カーゴで、50万トン前後に相当する。日本製鉄は米国でUSスチールの買収が難航しているが、「インドで底堅く事業を展開しており、LNG需要も見込める」(日本企業)。
北西欧州の気温はこのところ6~8度と、平年の5度を上回っている。また、英国およびドイツでは風力発電の出力が好調。これらによってガス火力の稼働が抑えられている。また、このところの欧州へのLNGカーゴの流入が多いことで、天然ガス在庫の減少ペースが鈍化するとの見方も相場の下落要因となっている。
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