LPG=2月17~21日:買い気旺盛で極東着上昇
CFR極東:
先週の極東着市場は買い気の盛り上がりを受けて上昇した。Rim Asia Indexは2月20日時点で、プロパンが619.00 ドル、ブタンが609.00 ドルといずれも2月14日比2.75ドル高。3月後半着ならびに4月前半着でのトレーダー勢のスポット調達が活発化した。中国向けでも、寧波でプロパン脱水素(PDH)プラントを運営する台湾輸入1社や華北のPDHプラント操業1社が買い付けに動いた。しかしながら、台湾輸入1社が実施した買い付け入札に対しては多数の売り手が応札し、供給潤沢感から徐々に相場は圧迫された。ブタンの商談では、ナフサとLPGの価格差拡大から石化向けの需要が回復。韓国石化1社と日本の石化1社がそれぞれ4月前半着のブタン単体を購入した。
FOB中東:
3月CPはプロパンが606ドル前後、ブタンが596ドル前後で予想されている。3月積みでは、買い気がわずかに回復した。BGNが3月30~31日ルワイス積みプロパン/ブタン各2万2,500トンをAGTから購入した。成約価格はプロパンに対し、577ドル、ブタンに対し567ドル(572ドルもしくは3月CP対比29ドルのディスカウントに相当)だった。これ以外にも、E1は 3月30~31日積みプロパン/ブタン各2万2,500トンをプロパンに対し570ドル、ブタンに対し560ドルで買い唱えた。これは565ドルおよび3月CP対比36ドルのディスカウントに相当する。
日本国内:
2月渡しは、陸上京浜のプロパンが104,000~104,300円、ブタンが104,500~104,800円と前週から900円、1,150円それぞれ下落した。大手元売り1社が在庫の処分に動いた。プロパンを104,000円まで値下げし、オーダーを囲い込んだ。川崎ターミナルに輸入玉を入荷した別の元売り1社がこれに触発される形で値下げし、一部の卸業者に対してプロパンを103,000円台まで販売対応したようだ。いずれの元売りも3月に決算を控えており、期末までに在庫水準を落としたいとの思惑も働いたもよう。別の元売り2社は前週時点で104,000円台前半~半ばまで売値を引き下げていた。
一方、買い手の調達意欲は薄かった。3月CP予想の下方修正、ドル安・円高の急進などを受け、元売り勢が3月の仕切り価格を2月対比で大幅に切り下げるとの観測が浮上。先安観測が台頭し買い控えにつながった。タンクローリーの不足から追加の買い注文を入れづらい状況もあり、売り優勢のマーケットが形成された。
こうしたなか、ENEOSグローブが21~22日の川崎ガスターミナル出しのプロパン出荷を制限した。19日の荒天の影響で東京湾の荷役作業が滞り外航船の入着が遅れた。在庫水準が下がり出荷制限を余儀なくされた。21日時点で荷役作業が順調に行われたもよう。