アジア石油製品=3月3~7日: 需給緩和でLSFO市況軟化
ガソリン 定修期迎え、北東アジアの取引は閑散 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は先週から横ばい。大方の北東アジアの石油会社は4月積みの輸出計画を決めていないようで、スポットの売りは見られない。ただ、製油所の定修シーズンに差し掛かっていることから、北東アジアの供給は減少しそうだ。そのうえ日本では製油所のトラブルが相次いでいる。需要面では、インドネシア国営プルタミナが4~6月分として92RONガソリンの買い付け入札を締め切っている。対象数量は月間20万バレル。この他、韓国では先週までに現代オイルバンクが3月積みのアルキレート2カーゴを販売していたことが判明した。対象数量は中旬積みの10万バレルと下旬積みの30万バレルで、価格はいずれもFOBベースで同市況対比12.00ドル近辺のプレミアムと伝えられた。
ナフサ ロッテインドネシアが入札で4月後半着を購入 4月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は変わらず。強弱材料がせめぎ合っている。東南アジアからの需要や製油所の定期修理が支援材料として挙げられる一方、中国からの買い気が4月前半と比べて弱まっている点が下押し材料として指摘されている。 ロッテケミカル・インドネシアは5日、入札を通じて、4月後半着ナフサを新規ナフサクラッカー向けに購入した。価格はCFRベースで同市況に対し、2ドル前後のプレミアム(45日前評価)との情報が寄せられた。売り手は欧トラフィギュラという。調達数量は不明。同社は4~5月に試運転を開始する予定で、試験用の原料の調達に動いたようだ。 ロッテケミカル・インドネシアは12日締めで、ブタジエンの販売ターム入札を開示した。供給開始は6月という。市場関係者は「同社は6月にプロピレンの輸出も始める可能性がある」と指摘した。 装置関連で、マレーシアのペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)は2月上旬から、ナフサクラッカー1基の稼働を停止中。市場関係者によると、停止は4月20日ごろまで続く見込み。市場関係者からは、PRefChemの稼働再開で需要が回復するとの見方が示された。なお、PRefchemの製油所では足元で、残渣油流動接触分解装置(RFCC)1基も稼働を停止しているという。
中間留分 灯油市況下落、日本の需要期終了で買い気減退 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は横ばい。4月積み品の新規販売は聞かれず。一方で、中国国際連合石化(ユニペック)が3月積み品の販売に動いていたと伝えられた。日本勢の調達は伝わってきていない。ENEOSやコスモ石油は足元で製油所のトラブルを抱えているものの、買いは聞かれず。出光興産は5月ごろに定期修理を予定している製油所がある。同社は米国向けにスポット市場で調達を進めることもあるが、具体的な購買の動きは判然としない。一方で、昨年12月から製油所の定修を実施していた太陽石油は、6日までに常圧蒸留装置2基の稼働を再開した。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は下落。日本では冬季の灯油需要期が終わり、元売りや日本商社からの韓国積み品への買い気が薄らいでいる。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇。供給の引き締まりを受けた。台湾中油(CPC)が4月12~22日積みとして0.001%S軽油45万バレルを販売した。また、フォルモサ石油化学(FPCC)が6日、4月10~14日積みとして0.001%S軽油75万バレル、4月13~17日積みとして0.05%軽油MR船型の販売入札を開示。北東アジアでは、春の定修シーズンに入っており、軽油の供給量が減少傾向にある。なかでも中国は国内の需給引き締まりを受けて、輸出量を抑える可能性があり、北東アジア地域の供給引き締まりに拍車を掛けている。
重油 需給緩和でLSFO市況軟化 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は先週から切り下がった。需給緩和感が強まり、相場を下押した。需要が長らく低迷するなか、このところ中東、アフリカ、欧州など域外からアジアに持ち込まれる低硫黄重油が増加している。 既報のとおり、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は先に、3月積みの低硫黄ストレートラン重油を販売。その後の調べで、価格がFOBベースで同市況に対し2ドル程度のプレミアムだったとの情報が伝えられた。
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