原油・コンデンセート=3月10~14日: 出光がアッパーザクムを転売
中東原油/コンデンセート 5月積みアッパーザクムの市況連動相場は、中東産中重油種の需給がやや緩く推移していることを映し、軽質油種の指標となる5月積みマーバンに比べ10セント前後低く推移している。出光興産は今週、5月積みアッパーザクムを中国国際連合石化(ユニペック)へ販売した。価格は、ドバイ市況に対して1.00ドル前後のプレミアムとなった。シンガポールのトレーダーは「ADNOCから長期契約を通じてアッパーザクムを引き取る一部の契約者は、ADNOCが確定した期近積みのOSPに割高感を強めて評価を引き下げている。このため、契約で引き取るこれらのアッパーザクムを自社製油所へ取り込まず、転売へ動いている」と伝えている。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 4月積みのアフリカ産原油の商いでは、中国の需要家がアンゴラ産の購入を続けている。中国のユロン石化がこれまでに4月後半積みのダリアとパズフロール各1カーゴを英BPから購入していた。価格は成約当時、DTDブレントに対して1ドル台前半のプレミアムだったと伝えられた。これらの成約後、センチメントはやや弱くなっているようだ。「OPECプラスが4月からの増産を決めたことや、ロシアの供給が回復していることから、相場は序盤戦と比べやや軟化している」とシンガポールのトレーダーは指摘した。ダリア、パズフロールの成約可能水準は、DTDブレントに対して1ドル前後のプレミアムと、同トレーダーは指摘した。
南方原油/コンデンセート 4月積み豪州産ビンセントの市況連動相場は、DTDブレントに対して5.45~5.55ドルのプレミアムと前日から2.45ドル急落した。需給緩和が主因。4月積みビンセントの商談水準はDTDブレントに対して5ドル台半ばのプレミアムで伝えられた。LSFOの精製マージンの悪化に伴い、需要家の多くがビンセントなど豪州産重質油種に対する評価を大幅に引き下げている。シンガポールの4月限の硫黄分0.5%重油のクラックスプレッドは12日時点で5.60ドルと1カ月前の3月限と比べ、約3ドルも縮小した。一方、三井・エナジー・トレーディング・シンガポール(METS)が 先週、4月積みビンセントを販売した。その後、成約価格はDTDブレントに対して5ドル台のプレミアムだったことが判明した。
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