第262回 ~バイオ燃料が温室効果ガスの削減に有効? ~の巻(2024年11月27日)
最近、『バイオ燃料』という言葉をよく耳にするけど、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスを削減する効果があるのかな?
もちろん!資源エネルギー庁は、『バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称で、これらの資源からつくる燃料をバイオマス燃料と呼びます』と説明している。バイオ燃料を使用することで、二酸化炭素(CO2)の排出削減に貢献できるわ。
バイオ燃料はCO2を排出しないということ?
実際にはバイオ燃料も化石燃料と同じように、燃焼時にCO2を排出するけれど、原料となる植物などの生物資源は成長過程でCO2を吸収するので、大気中のCO2濃度に影響を与えないとみなされるのね。だから『カーボンニュートラル燃料』として注目されているのよ。
なるほどね。燃焼時はCO2を排出しても、成長過程で吸収するので、使用時の排出量は相殺されるということなんだね。
そのとおり。バイオ燃料の代表的なものとしてバイオエタノール、バイオディーゼル、バイオジェット燃料、バイオガスなどがあるの。
バイオエタノールね!確かガソリンの代替品として使えるよね?
そうだね。バイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシなどを発酵させて製造するエタノールのことなのよ。ただ、日本ではバイオエタノールをそのまま使うことはできず、現状では少量を混ぜて使用しているわ。このほか、バイオエタノールを混合して製造するバイオETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)もあるわ。こちらもガソリンに混合して利用できるのよ。
ガソリンの代わりにバイオエタノールを使えば、CO2の削減に貢献できそうだね。ところでバイオディーゼルは軽油と混合して使うのかな?
バイオディーゼルは菜種やトウモロコシなどから製造するディーゼルエンジン用燃料のことね。軽油と混合して使うのが一般的なの。
ではバイオジェット燃料の原料は?
バイオジェット燃料は、微細藻類や木材チップ、製材廃材などから製造するの。また、バイオガスは主成分がメタンで、主に家畜の排泄物や生ごみなどの有機性廃棄物を発酵させて作るのよ。
なるほどね。どれも原料となる植物は成長過程においては、どんどんCO2を吸収してくれそうだね!
バイオ燃料は製造コストが高いので、いまのところ普及が進んでいないけど、太陽光や風力といった再生可能エネルギーに比べて供給が安定しているといわれているし、地球温暖化対策に有効なエネルギー資源なのは間違いないね。
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(文:林)
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