第140回 ~木質バイオマス発電とは ~の巻(2020年2月12日)
うさりん、木質バイオマス発電って知ってる?
再生可能エネルギーのひとつでしょ。流石のぼくでも名前くらいは聞いたことがあるけど、具体的な説明はできないなあ。
バイオマスは生物資源の「bio」と、量の「mass」から来た言葉で「再生可能な生物由来の資源」を意味するんだ。
ここに木質という言葉が付くということは、木質バイオマスは、バイオマスの中でも木材由来の資源という意味?
そうだね。つまり木質バイオマス発電は、木質由来の燃料を使って電気をつくることなんだ。
具体的にはどうやって発電するのかな。
バイオマス燃料を直接、もしくはガス化した後に燃焼させて、タービンを回し電気を得るんだ。
燃やして発電ということは、火力発電の一種だね。火力発電は特に石炭の場合、二酸化炭素(CO2)排出が多いと聞いたことがあったような・・・・・・。
木材も燃焼でCO2を排出するけど、そもそも木は成長する過程で大気中のCO2を吸収しているから、正味のCO2排出量がゼロになる「カーボンニュートラル」な燃料といわれているわ。
発電で生じる排熱を活用すれば、エネルギー利用効率も高まりそうだね。ところで、木質バイオマスで起こした電気は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)で販売できるんだよね?
もちろん。ただ、制度の開始後、政府の当初予想を大幅に上回るペースでFITの申請案件が急増したから、バイオマスの場合、2019年から一定条件に該当する新規発電所の売電価格は入札で決める方式に移行している。
バイオマス発電所が増えているということは、燃料不足や争奪戦は起きないのかな。森林は有限だし、植林しても成長には時間がかかるでしょう。
ケースバイケースだけど、地域によっては燃料不足を心配する声もあるようね。燃料の安定供給を求める声は強くて、国内品に限らず、輸入品も活用されているよ。
バイオマス燃料には国際商品としての顔もあるんだね。ということは時期、需給バランスなどで、取引価格も動くのかな。
石油、ガスほどではないけどね。国内のバイオマス燃料では、燃えやすいように木を砕いた「木質チップ」、粉砕した木を固めた「木質ペレット」、パーム油生産の際に生じる「パーム椰子殻(PKS)」が主に取引されている。
リム情報開発が今回「バイオマス」レポートを発刊したのも、こうした市場情報を配信するためなんだね。レポートではペレット、PKS、チップの価格、業界の最新動向を取り上げている。
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(文:西江 )
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