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第137回 ~尿素水で環境問題が解決? ~の巻(2019年12月18日)

かめりん、尿素水って聞いたことある?

聞いたことはあるけれど、どういうものか良く知らないわ。

「純水」に「尿素」を一定量混ぜ合わせて作るんだ。

そのままなのね(笑)。

尿素は有機化合物で、保水作用があるんだ。化粧品の原料などに使われているよ。ところで、その尿素水が環境汚染防止に役立っているって知っている?

知らないな、どういうこと。

軽油を使うトラックなどの排気ガスに尿素水を噴霧すると、排気ガス中の大気汚染物質が浄化されるんだ。尿素SCRシステムと呼ばれているよ。

そうなのね!初めて知ったわ!

中でも一番広く知られているのが「アドブルー」と呼ばれる尿素水だね。このほかにも「エコツーライト」や「クリーンATノックス」なんていう商品もあるよ。

どんな違いがあるの?

ほとんど違いがないと言われている。だけど「アドブルー」はドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標なので、取り扱うにはライセンスがいる。認証には品質検査を受けなければならないので、消費者にとっては安心だね。その分、他の商品より一般的に価格がちょっと高めのようだけれど。

価格はどのように決まるのかしら?

コスト面では、尿素価格の影響が最も大きいと言われているよ。尿素は農業の肥料にも使われるから農業用需要が盛り上がる季節になると、尿素水価格の押し上げ圧力になったりするよ。

へぇ、面白いわね。尿素水の需要って増えているのかしら?

環境意識の高まりを受けて、尿素SCRシステムを搭載したトラックへの乗り換えがどんどん進んでいる。また、トラックに限らず、軽油で走るバスや自家用車などにも使わされるようになっているんだ。船舶用にも導入が進んでいて世界的に尿素水の需要は増えているみたい。日本の尿素水取扱い業者の間では、2030年くらいまで需要は伸び続けると言われているよ。

なるほど!そうすると、日本では品薄になっていくのかしら?

そうとも言い切れない。さっき言った通り、尿素水は純水に尿素を混ぜるだけで、簡単に作れるんだ。だから市場への参入障壁が低い。需要の増加に合わせて、供給も増えていくので、需給が引き締まってはいないみたい。ここ数年、卸価格も小売価格もほとんど上がっていないんだ。

そうなのね!大変勉強になったわ!うさりん、ありがとう!

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(文:須藤 )
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