第157回 ~新たなアンモニア合成法でエネルギーに変革?? ~の巻(2020年10月7日)
うさりん、技術の進歩って本当に私たちを感動させてくれるわね。
なんだい、藪から棒に!
アンモニアを合成する画期的な方法を日本の研究者が開発したっていうのよ。
アンモニアって、あの刺激臭のするやつかい?それはすごいことなのかい?
社会のエネルギーに変革をもたらすかもしれないと言われているの。
どういうこと?
アンモニアは水素と同様に燃焼させても二酸化炭素(CO2)が出ないし、液体になりやすいから貯蔵・運搬しやすいクリーンなエネルギー源として期待されているの。
それは聞いたことがあるな。
だけど、合成するのが大変!アンモニア(NH3)は窒素(N2)と水素(H2)を工場で化学反応させて作っているの。「ハーバー・ボッシュ法」というんだけど、化学反応させるのに高温・高圧の環境が必要なのよ。
なるほど、その環境を作り出すのが難しいというわけか。
それだけじゃないの。水素は石油や石炭などの化石燃料から作ることが多いから、その過程で大量のCO2を排出してしまうのよ。
クリーンなエネルギー源であるアンモニアを作る過程がクリーンじゃないことが問題なわけだね。
問題解決のための研究が進んでいたんだけど、昨年、西林仁昭・東京大学大学院教授がアンモニアを窒素ガスと水から、常温・常圧で簡単にたくさん作れる方法を世界で初めて開発したと発表したの。
それはすごいじゃないか!
水(H2O)から水素(H)を作る還元剤の役割を持つ「ヨウ化サマリウム」という化合物に着目したことが研究成果につながったみたい。
アンモニアが簡単に大量に、しかもクリーンに作れるようになれば、火力発電に使われる化石燃料に取って代わり、温室効果ガスの削減が期待できるというわけだ!
社会のエネルギー資源にパラダイムシフトを起こすかもしれないと、この新しいアンモニア合成法は世界中から注目されているよ。
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(文:須藤 )
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