最新版

  • 第262回 ~バイオ燃料が温室効果ガスの削減に有効?~の巻
    (11/27 12:00)

    バックナンバー

    過去の記事

    第158回 ガソリン小売り価格の半分は税金?! ~の巻(2020年10月21日)

    今朝、不正軽油撲滅キャンペーンのポスターを見かけたよ。不正とは何を指しているんだろう。

    一言でいえば脱税だよ。石油製品には色々な税金が課されているからね。

    脱税?それってお金持ちのやることでは…。そもそも石油製品にはどんな税金がかかっているの?

    代表例としてガソリンスタンドで売られているガソリン、軽油をみてみよう。ガソリンの場合、小売り価格にはガソリンの本体価格以外に揮発油税がリットル当たり53.8円、石油石炭税が同2.8円(地球温暖化対策税含む)、さらに消費税10%が含まれている。

    複雑…。ずいぶん色々入っているね。

    もう少し具体的にいうと、小売り価格はガソリン本体、揮発油税、石油石炭税の合計価格に消費税10%を乗せするんだ。ところで、最近のガソリン、軽油の小売り価格がいくらか知っている?

    資源エネルギー庁によると、リットル当たりの全国平均(10月12日時点)でガソリンが134.1円、軽油が114.8円となっているね。

    ということは、ガソリン134.1円のコスト内訳はざっくりこうなる。ガソリン本体が65.3円、揮発油税が53.8円、石油石炭税が2.8円、消費税が12.2円(本体、揮発油税、石油石炭税の合計121.9円の10%)。

    ちょっと待って。揮発油税、石油石炭税、消費税だけで合計68.8円もあるじゃないか。ガソリン価格全体の51%分も税金が占めることになる。…ということは軽油も税金だらけなの?

    軽油の小売り価格には、軽油の本体価格以外に軽油引取税がリットル当たり32.1円、石油石炭税が同2.8円、消費税10%が含まれている。ただ、揮発油税と違って、軽油引取税には消費税がかからない。うさりん、この前提条件でエネ庁調べ軽油価格114.8円のコスト内訳を逆算できる?

    ちょっと待って…ざっくり軽油本体が72.4円、軽油引取税が32.1円、石油石炭税が2.8円、消費税が7.5円(本体、石油石炭税の合計75.2円の10%)になるのかな。軽油引取税、石油石炭税、消費税の合計は42.4円で、軽油価格に占める税金の割合は37%になる。

    その通り。ちなみに冒頭の不正軽油というのは、軽油引取税を不正に逃れた燃料のことなんだ。まあ話が長くなるから、この説明は日を改めよう。揮発油税、石油石炭税という税金を含んだ合計価格にさらに消費税が課税される「二重課税」の問題もいずれ議論したいな。

    細かな計算は面倒だけど、とにかく小売り価格の多くの部分を税金が占めているということは理解したよ。懐は寒いけど、ぼくは真面目に納税するぞ!

    【お知らせ】
    このコーナーに対するご意見、ご質問は、下記まで
    電話  03-3552-2411
    メール [email protected]

    (文:西江 )
    クイズに挑戦してみよう!
    今回の
    「やさしいエネルギー講座」から出題!

    消費税の賦課対象にならないものは?

    正解と思ったボタンを押してみよう。

    エネルギーの知識をさらに深めたい人は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会の検定に挑戦してみよう!

    https://www.energy-planner.jp

    (リム情報開発は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会を応援しています)