第161回 ~協調減産ってなに?~の巻(2020年12月2日)
ねえかめりん、原油の協調減産って知ってる?
当然よ、うさりんまさか知らないの?
知ってるよ!ただ、あまり詳しく知らないから…教えて!
しょうがないな。うさりん、まず産油国の組織「石油輸出国機構(OPEC)」のことは知ってるよね?
うん。OPECの盟主はサウジアラビアで、ほかにも中東やアフリカの産油国が加盟しているよね。
じゃあOPECに加盟していない産油国のことはどれくらい知ってる?
ロシアとかカザフスタン…あとはイギリスとか、世界最大の産油国アメリカも、OPECには加わっていないよね。
あら、意外と知っているじゃない。それなら簡単よ。OPECと、ロシアやカザフスタンなどの非OPECの産油国で構成するのがOPECプラスよ。ちなみにアメリカはOPECプラスにも参加してないのよ。
なるほど。じゃあ協調減産っていうのは、そのOPECプラスがやっているの?
そのとおり。2020年以前から行われていたんだけど、要するに供給過剰による価格暴落を防ぐために、産油国がOPEC内外の垣根を超えて、生産量を調整して価格のバランスを取り戻そうというものよ。
OPECに入っていない国は、きっとOPECとしての取り決めを守りたくないから入っていないんだよね?そういう国と減産で合意なんてできるの?
もちろん、簡単じゃないわ。それでも今年は、新型コロナウイルスの感染拡大で原油をはじめエネルギー需要が大きく落ち込んでしまった。だから供給を絞らないと原油価格が暴落してしまう。実際、春先に大きく下がったのは知っての通りよ。
だから協力して、原油価格を安定させようってことか!
正解。でもうさりんが言うとおり、OPECの盟主サウジアラビアと、非OPECのなかでも影響力の大きいロシアは、よく意見がぶつかるの。
そうなの?
今年の3月にも一度仲たがいしたんだけど、新型コロナの影響が予想以上に深刻だったから、もう一度協力することにして、5月からOPECプラスとして日量合計990万バレルっていう大規模な減産をはじめたんだ。
この減産はずっと続けるの?
減産自体は、少なくともコロナから経済が回復する見込みが立つまで続くでしょうね。だけど減産幅を巡っては産油国の間でも考えに違いがあるみたい。ちょうど11月末に会合があったんだけど、またサウジやアラブ首長国連邦、ロシアなどの間で意見が食い違って、結論が出るのが遅れたんだ。
大国同士が意見を合わせるのは大変なんだね。注意深く見ていかないと。よくわかったよ、かめりんありがとう!
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(文:犬塚 )
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