第163回 ~ガスからクリーンな石油が作れちゃう?!GTLとは? ~の巻(2021年1月6日)
新年明けましておめでとう、うさりん、本年もよろしくね!
明けましておめでとう、かめりん、今年もエネルギーについてたくさん語り合っていこう!
昨年は日本政府が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げたわね。
ガソリン車の販売を2030年代半ばまでに禁止するような話がにわかに出てきた。自動車に留まらず、化石燃料に代わるクリーンなエネルギーへの関心が一気に高まった年だったね。
水素とかアンモニアとか、燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない燃料のことはよく耳にするようになったけど、「GTL」はあまり注目されていないみたいね。
ジー・ティー・エル?なんだい、それは。初めて耳にするよ。
「Gas to Liquids」の略称で、ガスから液体燃料を合成する技術のことなの。GTLによって合成された液体燃料は既存の石油燃料よりも燃やしたときに出るCO2の量が少ないクリーンなエネルギーと言われているのよ。
ガスから液体を?!そんなことができるのか!知らなかったな!
まず、石炭や天然ガスから一酸化炭素(CO)と水素(H2)の合成ガスを作って、炭素(C)がたくさん鎖状につながった炭化水素を合成、この鎖状の炭化水素を数個から十数個のつながりに分解するとできるの。分解するCの個数によって、ナフサ、灯油、軽油、潤滑油など色々な石油製品が作れるのよ。
なるほど、それはすごいね!GTL技術を使って作った石油製品は国内で流通しているの?
軽油の代替燃料として、建設現場の重機の燃料なんかにすでに使われているよ。環境意識の高まりで徐々に需要が増えているみたい。
だけど、石炭や天然ガスからCOやH2を取り出すといったGTL燃料の製造過程でCO2を出してしまいそう気がするけど?
そうなの。だから、最近では製造過程で出てくるCO2を相殺(カーボンオフセット)できる間伐材などの木質バイオマスからCOや水素を取り出して液体燃料を作る技術(BTL=Bio to Liquids)の開発も進んでいるみたいよ。
CO2を排出しない方法で製造した水素、アンモニアのことを、特に「グリーン水素」、「グリーンアンモニア」と呼んだりするけど、「グリーンGTL」と呼ばれるような液体燃料が今後出てくるかもしれないね!
そうなったら面白いわね!2021年も新しいエネルギー技術の進歩に目が離せないわ!
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(文:須藤 )
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GTLに使う原料として不適切なものは次のうちどれでしょう。
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