第171回 ~コンクリートバッテリー~の巻(2021年4月28日)
地球温暖化を食い止めるため各国で脱炭素社会に向けた動きが活発になっているようだね。
そうね。世界中が協力しないと地球温暖化がますます進みそうね。
ところで、二酸化炭素を排出しないと言われる新しい発電方法が出来たことをを知っている?
いったいどんな発電方法なの?
コンクリートブロックを使う発電なんだ。
え~??コンクリートで発電ができの?
スイスのスタートアップ企業エナジー・ボルトという会社は、タワークレーンを使って、コンクリートを地面に下す際に生じる重力エネルギーを使って発電する方法なんだ。コンクリートを用いるからコンクリートバッテリーも呼ばれるよ。
一体どうやって発電する?
この発電方式は、揚水式水力発電の原理を応用したものなんだ。高さ100メートル超えるタワーに6本クレーンを設置し、合計35トンにも及ぶコンクリートブロックを、順番に地面に下すことで発電することができるんだ。
画期的な発電方法じゃない!
その通り。タワークレーン内に発電制御システムを装備し、人工知能(AI)を活用して送電網の状況、気温や天候など様々な要素を勘案して発電効率を最適化するんだ。
そこまでできるのね。
発電所を建設する際、初期段階で立地や環境評価などが厳しく課されるでしょ。でも、タワークレーンなら立地を選ばずに色んなところに設置できる。
確かに~
火力発電所のように、発電過程で二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないでしょ。経年劣化のコンクリートを活用するので環境にやさしい。そして、太陽光発電のように天候不順で出力が低下する心配もない。ベースロード電源としても注目されそうだよ。
確かに天候に左右されやすいのが再エネ発電のネックだわ。
コンクリートバッテリーのプロジェクトは将来的に有望だとして、日本のソフトバンク・ビジョンファンドが初めてエネルギー分野に約150億円を出資したよ。
革新的なアイデアで、この会社の将来が楽しみね!
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(文:方 友明 )
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