第172回 ~カーボンニュートラルLNGって何?~ の巻(2021年5月19日)
最近、二酸化炭素排出量の削減目標を発表する国や企業を目にすることが多いね。
そうね。ついこの間、米国のバイデン大統領が2030年までに二酸化炭素排出量を2005年水準の半分に削減する方針を発表したのを覚えているわ。
そもそもこうした削減目標をどうやって達成するのだろう。急に二酸化炭素を出さない生活を始めることなんて不可能だよ・・・
そのために段階的な削減目標を定めているのよ。液化天然ガス(LNG)の利用を進めているのも、二酸化炭素排出量が石油や石炭より少ないからなの。LNGといえば、うさりんは二酸化炭素を実質的に出さないLNGがあるって知っている?
え、何それ!?夢のような資源だね。すぐにでも二酸化炭素排出量をゼロにできちゃうじゃない!
期待させてごめんなさい。環境にやさしい話ではあるものの、種と仕掛けがあるの。
ぬか喜びさせないでよ!それで、二酸化炭素を出さないLNGって何なの?
カーボンニュートラルLNGのことよ。正しくは「実質的に二酸化炭素を出さない」LNGなの。
実質的に?
そうなの。カーボンニュートラルLNGは、LNGの生産や消費に伴って生じる二酸化炭素排出量と同等の二酸化炭素を、植林などの手段で削減・吸収し、排出量を差し引きゼロとみなしたもののことを指すわ。簡単に言うと排出した二酸化炭素を、植林活動などで相殺することなの。そのために炭素削減プログラムへの投資や植林活動などを手掛けるか、このような活動実績を購入する必要があるわ。
へえ、正味ゼロとするから実質的に排出しないということになるんだね。ただ、二酸化炭素の排出量と削減量ってどうやって決めるの?
排出量の算出方法は複数あって、統一規格はまだ決まっていないわ。ただ温室効果ガスプロトコル(GGP)という複数の国際機関や非政府組織によって開発された基準の認知度が高いそうよ。そして削減量は検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおける二酸化炭素削減効果を検証して、認証を受けたものを数値化しているわ。
まだカーボンニュートラルLNGの普及は始まったばかりなんだね。もっとこの取り組みが広まってほしいな。
そう思うわ。そして私たちも日常の中で消費しているエネルギー資源を、浪費しないように気をつけましょうね!
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(文:朝比奈 )
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