第175回 ~てんぷら油で地球がキレイに?! ~の巻(2021年6月30日)
かめりん、何やっているだい?
昨日、てんぷらを揚げた油をペットボトルに詰めて、これから自治体が設置している回収ボックスに持っていくの。
使い終わった油なんか集めてどうしようっていうんだろう?
うさりん、知らないの?使い終わった食用油は「廃食油」といって、昨今バイオ燃料の原料として注目が集まっているのよ。
そうか、食用油を作る植物が成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するからクリーンな油とみなされているわけか!
そのとおり!世界的な脱炭素化の流れの中で、トラックや発電に使うディーゼル燃料や、飛行機のジェット燃料を、化石燃料からバイオ燃料に切り替える動きが広がっているのよ。
なるほどね。だけど廃食油の国内の供給量はそんなに多いのかな?
全国油脂事業協同組合連合会(全油連)によると、国内の飲食店などから排出される廃食油は年間約42万トンで、このうち26%の約11万トンが燃料用に使用されるの。58%(約24万トン)が鶏や豚の飼料に使われているよ。
うーむ、それだとちょっと少ない気もしてしまうね。
そうなの。国内だけでも数千万トンあるディーゼル燃料やジェット燃料の需要をとてもカバーし切れないのよ。
なんとか供給を増やさないとね。
家庭用の廃食油は年間10万トン発生しているらしいんだけど、これは現在、ほとんど回収されずに捨てられてしまっているみたいなの。今後はそうした家庭用の埋もれた廃食油の掘り起こしが必要と言われているのよ。
それで、かめりんはてんぷら油をせっせとペットボトルに詰めていたというわけか!
そうなのよ。だけど、それでもまだまだバイオ燃料の原料の供給は足りないと言われていて、廃食油のほかにもミドリムシなどの微細藻類や産業用パーム廃油などを活用することも検討されているみたい。その辺はまた今度お話できたらいいわね!
そうだね、かめりん、今日はありがとう。とても勉強になったよ!
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(文:須藤 )
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