第176回 ~SSは地域住民のライフライン ~の巻(2021年7月14日)
どうしたの。浮かない顔して。
近所のサービスステーション(SS)が閉店しちゃったんだ。日ごろからお世話になっていたから寂しくて。
サービスステーションとはガソリンスタンドのことだね。資源エネルギー庁によると、国内のSS数は2020年3月末時点で2万9,637店。ピークの1994年から半分以下になっている。
そんなに減っているの?!やはりガソリン需要の自然減が理由かなあ。ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)なんかのエコカー普及、若者のクルマ離れはよく話題に上るよね。
後継者不足の問題もあるみたい。経営を続けたくても、跡継ぎがいなくて閉鎖せざるを得ないケースも多いんだって。もちろん新規開店するSSもあるけど、全体的には新設より閉鎖の方がペースが速い。
これからは脱炭素でガソリン消費がますます減る方向にありそうだしね…。EVの充電スタンドや水素SSとして再出発するのも難しいのかな。
EVは充電に時間がかかってSSとして営業効率が悪いし、水素SSはまだまだ燃料電池車(FCV)の普及が少ないからね。規模にもよるけど、従来のSSの建設費用は1店あたり7,000万~8,000万円、水素SSは4億~5億円かかるといわれている。
一般人の感覚でいえば大型投資が必要ということか…。しかし、店舗数が多い都市部はともかく、店舗が少ない地方の人は困るのでは?「SSの過疎地問題」というのを聞いたことがあるよ。
近所のSSがなくなって、給油に困る人が増える問題だね。資源エネルギー庁によると、地域のSS数がゼロの自治体は全国10カ所、1店しかない自治体は82カ所もあるみたい。
どう考えても災害などの緊急時が大変だよ。仮に真冬に停電してエアコンが使えなくなった場合、すぐに灯油が買えないなんて。公共交通機関がマヒした場合にガソリンが手に入らないのも不便すぎるよ。
うさりんの言うとおり、SSは単なる給油だけでなく、地域住民のライフラインを守る役割も担っているんだよね。でも民間だけで過疎地問題を解決するのは難しいから、国、地方自治体も解決に向けて積極的に議論しているんだ。
SSが減っているのはとても残念だけど、減っている今だからこそSSの大切さを改めて考え直していきたいよね。
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(文:西江 )
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