第183回 ~FIP制度って何?! ~の巻(2021年10月20日)
政府は2050年のカーボンニュートラルに向けて、再生可能エネルギーの普及が進ようにいろいろな取り組みを始めているね。
ちらほらニュースで見たことはあるけれど、具体的にどのような取り組みがあるのかいまいち分からないわ。
ではそのうちの1つの取り組みを見てみようか。FIP制度って聞いたことはあるかな?
FIT、つまり再エネ固定価格買取制度は聞いたことがあるけど、FIPは聞いたことがないわ。
FIP制度は「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の略称。2020年6月に導入が決まり、2022年4月からスタート予定となっているんだ。
新しい制度の施行日はもうすぐなのね。なぜこの制度が設けられたの?
再エネ電力市場の競争を活性化し、再エネの比率を向上させる狙いがあるんだ。
競争の活性化って、今までのFIT制度は何か問題点があったのかしら?
FIT制度のお陰で再エネ発電が普及した一方、再エネ発電事業者はいつ発電しても同じ金額で買い取って貰えるため、供給と需要のバランスを意識せず、競争が起こりにくくなっているんだ。FIP制度を導入することで、再エネ発電事業者はマーケットの動向を見ながら発電することが求められるようになる。
なるほど。FIT制度は市場価格に連動しないから競争が起こらないのね。
FIP制度の導入により電力価格の販売競争を促して、再エネ発電事業者はプレミアム価格を手に入れることができる。こうした事業者はさらに再エネ発電施設に投資して利益を上げていくという仕組みなんだ。
再エネの普及促進につながるといいわね。
FIT制度の「原資」にあたる再エネ促進賦課金は、需要家である私たち一般消費者の電気料金に上乗せて徴収されているんだ。2021年度の総額は2.7兆円と見込まれているよ。その金額は年々増加しているので、新制度により国民の負担を軽減させる狙いもあるよ。
このところ我が家の電気料金も高くなる一方だったわ。
もともとFIT制度は再エネを普及させるため作られて、再エネ発電事業者を優遇してきたんだ。普及とともに制度の運用状況や課題を見直す時期になっているね。
そうね。新しい制度や政策は最初から完璧ではないから、運用するなかで問題点を発見して改善していく必要があるわね。
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(文:方)
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