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  • 第262回 ~バイオ燃料が温室効果ガスの削減に有効?~の巻
    (11/27 12:00)

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    第194回 ~排出権取引って何か? ~の巻(2022年3月30日)

    かめりん、排出権取引って聞いたことはある?

    新聞で見たことはあるけれど、具体的にどういう取引か調べたことはないわ。

    一言で言うと、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を低減させるための取り組みなんだ。

    地球にやさしい取り組みなのね。

    排出権取引の方法には2種類ある。 1つ目はキャップアンドトレード。具体的な削減目標を決め、排出してもよい温室効果ガスの上限量を決める。上限をもとに各企業などに排出枠を配分し、実際の排出量との差分を取引するんだ。 2つ目はベースラインアンドクレジット。温室効果ガスの削減事業を実施した場合、実施しなかったときに比べ、どの程度ガスを削減したかを数値化するんだ。その数値を排出権(クレジット)と認定し、取引する。 現状では1つ目が取引の主流になっているようだよ。

    排出権取引はいつごろ始まったの?

    米国では90年代から、国内の硫黄酸化物を削減するために排出証取引制度を取り入れたんだ。その仕組みがうまく機能したことで、2005年に発効した京都議定書にも盛り込まることになった。

    そういう経緯があったのね。

    排出証取引制度では、硫黄酸化物の排出枠を下回った分について、企業がその削減分に付加価値をつけて、逆に排出枠を超過した企業と取引するんだ。硫黄酸化物の削減に貢献したと見なされるよ。

    近年は極端な天候が増えているように感じるわ。排出権取引はさらに活発になるのかしら?

    排出権取引を導入するにより、新たに産業の誕生も期待されるよ。市場原理を活かし、企業や自治体などが温室効果ガスの削減を進め、クレジットを販売することで利益を得ることができる。そうすれば一層努力して、削減しようとするんじゃないかな。

    日本国内の排出権取引現状はどうなっているの?

    日本では、経済産業省をはじめ、環境省、農水省が主導し、自主参加型の独自の排出取引制度(J-クレジット制度)を運用している。本格的な排出権取引市場の創設も検討しているるようだよ。

    他の国の状況は?

    2002年4月にイギリスで世界初の排出取引市場がスタートした。現時点の導入国は40カ国に上っている。欧州諸国ではいろいろな取引オプションも用意されていて、ヘッジファンドの取引や金融商品としての可能性も注目されているようだよ。 3月29日に国際炭素行動パートナーシップ(ICAP)が発表した報告によると、2021年に世界の排出権取引のオークションで調達した資金は580億ドル。前年に比べて2倍以上だったことが分かった。これからも温室効果ガスの削減に対する意識が世界中に浸透していくと考えられるね。

    排出権取引市場には大きくなチャンスが潜んでいるのね。

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    (文:方 )
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