最新版

  • 第262回 ~バイオ燃料が温室効果ガスの削減に有効?~の巻
    (11/27 12:00)

    バックナンバー

    過去の記事

    第195回 ~LNGの気化熱の活用方法 ~の巻(2022年4月13日)

    日本の2月の貿易収支が6,000億円以上の赤字になったというニュースを聞いたよ。

    原油や液化天然ガス(LNG)の輸入価格の高騰が赤字の原因みたいね。日本は化石燃料を輸入に頼っているから、避けられないことなのかもしれないわね。

    自前で活用できるエネルギー源が少ないと、こういう時に心もとないね。

    無いものに頼ることはできないから、燃料のエネルギー効率を高めることも大切になるわね。ところでLNGを天然ガスに気化するときに出てくる冷熱って何に使われているか知ってる?

    うーん、何かを冷やすことに使うと思うけど、ピンとこないなあ。

    うさりんの言うとおり、食品の冷凍に使っている例はあるわ。他にはドライアイスの製造にも使われているわね。でも実は冷熱の多くがそのまま放出されて捨てられてしまっているの。

    LNGの温度は摂氏約マイナス162度だから、天然ガスを冷却するのに使う大量のエネルギーを再利用しないのはもったいないね。

    LNGの気化には海水の温度を利用する装置が多いのだけど、気化熱によって水温の下がった海水を有効利用する方法が多くないことが理由に挙げられるわ。

    確かに利用方法って言われてもそんなに思いつかないよね。

    だから有効活用するための実験や研究が今も進められているのよ。そうして生まれた活用方法に「冷熱発電」というものがあるわ。

    どういう仕組みで発電するの?

    何種類かあるのだけど、一番簡潔なのは、LNGが気化する際に生じる体積の膨張を利用して、その圧力でタービンを回す方法よ。これによって天然ガスを液化するために要したエネルギーの一部を発電に使えるようになったわ。

    発想力と技術の賜物だね!これからは冷熱発電も主要な発電方法になるのかな?

    それは少し難しいかもしれないわ。冷熱発電はLNGの冷熱を利用するという条件下の仕組みだから、輸入するLNGの量とLNGを使用するタイミングに依存しているの。だから発電量が不安定でどうしてもコストが高くなってしまうことから、冷熱発電の普及は頭打ちとなっている部分があるわ。

    冷熱の利用自体が難しいのに、経済性との両立なんて難しすぎるよ!

    だから発電以外の活用方法もいろいろ研究が進んでいるわ。最初に挙げたドライアイスの製造や冷凍設備への利用をもっと安価で高効率にすることが、今考えられる有効利用法かしら?ちなみに冷たい海水を使って、日本でノルウェーサーモンを養殖するなんていう活用方法も考えられているのよ。

    いろんな企業がそれぞれ可能性を探っているんだね。

    これからたくさんの利用方法が生まれることを期待しているわ。

    【お知らせ】
    このコーナーに対するご意見、ご質問は、下記まで
    電話  03-3552-2411
    メール [email protected]

    (文:朝比奈 )
    クイズに挑戦してみよう!
    今回の
    「やさしいエネルギー講座」から出題!

    現在LNGの冷熱利用した発電方法は?

    正解と思ったボタンを押してみよう。

    エネルギーの知識をさらに深めたい人は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会の検定に挑戦してみよう!

    https://www.energy-planner.jp

    (リム情報開発は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会を応援しています)