第198回 ~航空業界が注目!SAFって何だ? ~の巻(2022年5月25日)
すっかり暑くなってきたね~。そろそろ夏休みの予定を立てないと。
コロナ問題も落ち着いてきたし、ぼくは久々に旅行に行こうかなと。ただ、嫌な言葉を聞いちゃって。「飛び恥」って知ってる?
航空機燃料は燃やすと二酸化炭素(CO2)が発生するから、環境的に「飛行機で移動するのはイケてない」って考えだよね。欧州を中心に広がっている。
そうそう。そんな言葉を聞いたら、飛行機に乗るのも気後れしちゃって。
でも航空業界も環境対策を怠っている訳じゃない。対策として「持続可能な航空機燃料」に注目している。これは英語名「Sustainable Aviation Fuel」の頭文字をとって「SAF」とも呼ばれているね。
言われてみればSAFという言葉は新聞やネットニュースでよく見かけるようになったような…。持続可能というと、環境にやさしいってことかな。
植物・動物性油脂や使用済み食用油、微細藻類などのバイオマス、都市ごみ、排ガス、CO2などを原料にすることで、原油からつくる従来の航空機燃料より、生産~燃焼で生じるCO2を減らせるんだ。ものによっては削減率が約80%になるんだって。
そんな素晴らしい燃料があるなんて!すでに広く使われているのかな。
欧州を中心に普及し始めているけど、基本的にまだ実証段階なんだ。国土交通省は2030年に日系航空会社が使用する航空機燃料のうち10%をSAFで置き換えることをめざしているよ。
いきなり100%という訳にはいかないんだね。何事も普及には時間がかかるよね。
でもSAFは従来の航空機燃料に混ぜて使える。逆にいえば既存の航空機燃料インフラがそのまま利用できる強みがある。
なるほどな~。ところで油脂、使用済み食用油なんかはもともと使われていた別の用途があるはずだよね。航空機燃料で使われたら困る人がいるのでは。
そこが当面の課題なんだ。既存ユーザーとの競合を避け、いかに原料を安定調達するかが官民で議論されている。
あと新しい燃料というと、コストが高いという印象をもってしまうな…。
原料の安定調達と並ぶ大きな課題だよね。現在の生産コストは従来の航空機燃料の倍以上といわれている。国交省は普及に向けてリットルあたり100円台という長期目標を打ち出しているよ。
気候変動問題に注目が集まっているし、多少高くても導入が進む可能性はあるよね。将来的には恥なんて感じず、飛行機に乗れる未来が訪れるといいな。しかし、夏休みの予定をどうするか困っちゃうな~。
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(文:西江 )
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