第202回 ~節電の効果を上げる!デマンドレスポンス ~の巻(2022年7月20日)
今日も暑いな~。これからもっと暑くなるんじゃないかって心配だよ。
暑くなればなるほど節電にも気を配らないといけないわね。
6月末には、東日本で初めて「電力需給逼迫注意報」が出されたよね。夏本番になったら「警報」も出るかもしれないと聞いたけど、「注意報」と「警報」の違いってなんだろう?
「電力需給逼迫注意報」は、ピーク時の電力の需要に対して、供給力の余力がどれくらいかを表す予備率が5%を切ると予想されるときに出されるものよ。「警報」はもっと厳しくて、3%を切った場合に出されるものね。
3%を切るというのはよっぽどの事態ということだね。
電力供給は発電所の運転計画である程度予想がつくけれど、電力需要は予想と比べて3%程度ぶれが発生すると言われているの。だから電力の安定供給には最低限、予備率が3%必要と言われているわ。
なるほど。「注意報」が出されたのは気温が上昇したことと、3月に福島沖で起きた地震で、火力発電所が幾つも停止していることが影響したんだよね。トラブルのある発電所を無理やり動かすことは出来ないし、そもそも日本の火力発電所が老朽化しているっていう問題もある。消費者側で取り組めることがないかしら。
国や企業も、節電を推奨したり、効果を高める策を練っているわ。その1つが「デマンドレスポンス(DR)」ね。
デマンドレスポンス?これまでの節電と何が違うのかな?
電力の供給余力がないときに、電力使用量を減らしてもらう代わりにその対価を支払う仕組みを「デマンドレスポンス」って言うの。これまでは発電所の出力を高めたりと供給側で調整するのが一般的だったけれど、需要(デマンド)側でも調整する仕組みなのよ。
対価って具体的にはどういうもの?
電力会社からの要請に応じて企業や家庭が電気の使用量を減らせば、電気代が割引になったり、ポイントをもらえたりするやり方が一般的ね。
「'皆さん節電しましょう」って呼びかけるだけより、効果が上がりそうだね!これから始まる取組みなのかな?
規模の大きい電力会社では導入実績もあるわ。6月に注意報が出されたときも、東京電力ホールディングス(HD)管内では数百社の協力企業に要請した結果、約30万キロワット分の電力需要を抑制できたそうよ。
8月から始まる節電ポイントもこの一環かな?
そのとおり!政府は7月15日に、電力会社が導入する節電プログラムに登録した家庭に、2,000円相当のポイントを付与しますって発表したわ。これをきっかけに、デマンドレスポンスに参加する消費者が増えそうね。
エネルギーの価格は高いままだし、脱炭素社会の実現に向けて無駄なエネルギー消費量を減らしていく必要もある。節電はこの夏だけじゃないから、積極的に取り組んでいきたいね!
【お知らせ】 このコーナーに対するご意見、ご質問は、下記まで 電話 03-3552-2411 メール [email protected] |
(文:柏原 )
「やさしいエネルギー講座」から出題!
電力使用量を抑制してもらう代わりに対価を支払う仕組みの名前はデマンド「 」?
正解と思ったボタンを押してみよう。
エネルギーの知識をさらに深めたい人は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会の検定に挑戦してみよう!
(リム情報開発は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会を応援しています)