第203回 ~石油の鉄道輸送を知ろう! ~の巻(2022年8月3日)
うさりん、何見ているの?
やあ、かめりん。この前行った長野旅行の写真を見ているんだよ。そういえば、旅行の時に貨物列車を見かけたんだけど、よく見たら石油のタンクを付けていたんだよ。つい写真を撮っちゃったんだ。ほら、これだよ。鉄道でも石油を運ぶんだね。
そうなの。特に石油、石炭、石灰石などを運ぶ方法を「車扱(しゃあつかい)輸送」と言うの。「車扱輸送」はタンク車などの貨車を1両単位で貸し切って輸送する方法よ。最近は「コンテナ輸送」の方が見る機会が多いのだけど、かつては貨物輸送というとほとんど車扱輸送だったのよ。
「かつては」ってことは、今は車扱輸送はだいぶ減っているってこと?
ええ。産業構造の変化や、コンテナ輸送への転換が挙げられるわね。石油に関していえば、高速道路の整備で製油所からタンクローリーでの直送が増えていることや、そもそも石油製品の需要が減少していることが背景にあるわ。実際石油の輸送量も年々減少傾向にあるの。2004年6月の輸送量は62万4,000トンだったんだけど、2022年の6月の輸送量は38万9,000トンとほぼ半減しているのよ。
へえ~そうなんだ。でも、なくなっていないのは一定の需要があるからってことだよね。
そう。輸送距離が平均160~170㎞と長距離なこと、輸送量の多さがあげられるわ。さらに最近は、排出される二酸化炭素の量が自動車に比べて少ないことや、「働き方改革関連法」で2024年以降トラックドライバーの労働時間が制限されることによる「2024年問題」もあって、モーダルシフトの観点からも鉄道輸送が注目されているみたいね。
ふむふむ。
それに何よりも内陸県の石油ライフラインとして欠かせないってことがあるわね。うさりんが旅行した長野県、さらに群馬県や栃木県では石油製品の需要に対する鉄道輸送のシェアが8割と依然として鉄道輸送は重要なウェイトを示しているの。
8割も!すごいね!製油所や油槽所から遠い長野県や群馬県、栃木県では鉄道輸送は無くてはならない存在なんだね!今日も勉強になったよ。かめりん、ありがとう!
どういたしまして。ところでうさりん、私にお土産買ってくるって言ってたけど…
し、しまった!
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(文:原 )
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