第206回 パーム産業廃液「POME」とは？ ～の巻(2022年9月14日)
うさりん、POMEって知っている？
ポメ？ポメラニアンの略称かな？
そんなわけないでしょ！POMEは「Palm Oil Mill Effluent」の略称で、パーム油の製造過程で発生する産業廃液のことよ。
パーム油は知っているよ！前にもかめりんと話したことがあったね。生長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するバイオマス燃料として利用されているけど、食用と競合したり、森林破壊につながったりすることが問題視されているんだよね(第151回「パーム油発電はエコ？ ～の巻」参照)。
そうなの、うさりん、よく覚えているわね！POMEには数％の油分が含まれていて、バイオマス燃料として活用しようとする動きが広がっているの。これはあくまで産業廃油なので、食用パーム油との競合問題は起きないわ。
それはいいね！だけど、POMEはたくさん出てくるものなのかな？
世界のパーム油年間生産量6,000万トンの2.5～3倍程度発生すると言われているの。その数％がバイオマス燃料として利用可能とすると、年間にざっと数百万トンになるわ。
同じくバイオマス燃料としての利用が期待されている廃食油の日本における発生量が年間40万トン程度とされていることを考えると、すごい量だね！
POMEをバイオマス燃料に活用するメリットはそれだけじゃないの。POMEは廃棄物として処理する過程で大量のメタンガスを発生させるの。メタンガスはCO2の25倍の温室効果があるとされている。このメタンガスを大気に放出せず、燃料として利用すれば、環境保全にもつながるのよ！
まさに一石二鳥の優れものじゃないか！すでに実用化されているのかな？
脱炭素の取組みで先行する欧州ではすでにバイオマス燃料として活用されているみたいよ。日本でも最近、大阪ガス、INPEX、日揮ホールディングスがPOME由来のバイオメタン活用に向けた共同調査に乗り出すと発表したわ。
これから世界中でどんどん活躍の場が広がっていきそうだね！とても勉強になったよ、かめりん、どうもありがとう！
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(文：須藤 )
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