第222回 ~原子力発電の仕組みは? ~の巻(2023年5月10日)
日本政府が原子力発電所の再稼働や、建て替え、運転期間の延長などを推し進めているわね。
そうだね。原発は発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、脱炭素目標の達成に資するとの見方があるね。
どうしてCO2を排出しないのかしら。
原子核が分裂する際に放つ膨大な熱エネルギーを利用するからなんだ。
難しくて、よくわからないわ。
原子核は陽子と中性子で構成されている。原発で使うウランの原子核は陽子が92個含まれている。中性子の数はウランによっても異なっていて、中性子を143個含むものをウラン235、146個含むものをウラン238というんだ。
ウラン235と238にはどんな違いがあるのかしら?
ウラン235は中性子を吸収すると、核分裂を起こす性質がある。そのときに膨大な熱エネルギーを生み出す。この熱エネルギーで蒸気を発生させてタービンを回して発電するのが原発なんだ。
天然ガスや石炭などの化石燃料を燃やしてCO2を発生させながら、発電する火力発電とはそこが違うのね。CO2を出さずに熱エネルギーを生み出せるなんて素晴らしいわね!
だけど、危険な面もある。ウラン235が分裂すると、中性子が飛び出して、それが別のウラン235とぶつかって、また分裂して…といった具合に核分裂が次々に連鎖するんだ。暴走しないように適切に制御する必要があるんだけど、大規模な災害などで装置が壊れたり、人的な操作ミスが起きたりすると重大な事故につながる恐れもあるんだ。
今後も活用し続けるのであれば、きちんと安全に気を付けて欲しいわね。うさりん、ありがとう!とても勉強になったわ!
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(文:柏原 )
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