第228回 ~原子力発電どうなるの?!~の巻(2023年8月2日)
大手電力7社の電気料金が7月請求分から値上げになったね。経済産業省の許可が既に下りていて、家庭向け電気料金は15~40%値上がりするようだね。電気使用量の増える夏場に値上げになって困ったな。
日本では火力発電所の占める割合が高いうえに、ほとんどの燃料を海外からの輸入に頼っているものね。ロシアによるウクライナ侵攻で資源高が進み、円安もあって化石燃料の輸入価格がどんどん高くなっていたわ。23年3月期の連結決算では、大手電力8社の純損益が赤字だったそうよ。各社とも電気料金を値上げせざるを得ないわ。
海外にエネルギー資源を頼りすぎるのはリスクがあるんだね。ところで現在の日本の電源構成はどうなっているのかな?
電力調査統計によると、2022年の電源構成比率は化石燃料(LNG、石炭、石油等)が7割超、再エネが2割弱、原子力が1割未満だったわ。
原発の比率は低いんだね。
2011年に発生した東日本大震災前は、全国で54基の原発が稼働していたの。震災後に耐震基準やセキュリティ面などの見直しを進めた結果、一時的にすべての原発が停止した時期もあったわ。近年ではそれらの基準をクリアし、地元の同意を得た原発が少しずつ稼働を再開している。
現在稼働中の原発は箇所あるの?
原子力規制委員会の発表によると、5月29日時点で運転中の原発は9基、定期検査中が24基、廃止措置中が26基となっている。
定期検査中の原発が多いんだね。
政府は2030年度のエネルギー需給見通しで、化石燃料による発電を4割まで減らす一方、原発を2割に引き上げ、再エネも4割に高めるとしているわ。国は、検査基準をクリアし、自治体への説明や住民の同意を得たうえで原発再稼働を進める方針のようね。
でも東日本大震災を経験して以降、原発に反対や拒否反応を示す人も多いよね。
原発は一度稼働を開始すると、コストが安く、CO2の排出も抑えられるので、国はベースロード電源としての役割を期待しているのね。
コスト面、環境面など総合的に考えなけなければならないんだな。
東日本大震災以降、全国の原発が停止したことで、代替の化石燃料の調達コストが大幅に増加したわ。2010年度と比べて3.5兆円多かったそうよ。世帯あたり年間約1.3万円の電気料金が増えたという試算もあったようよ。
コストや環境面でメリットがある一方、大きな事故を経験した日本では稼働に慎重になるのは仕方がないよね。原発の稼働は難しい問題だね。いずれにしても、こまめに家電製品のスイッチをオフにするなど、電気を大切に使っていきたいね。
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(文:方 )
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