第229回 ~人工的な石油って何? ~の巻(2023年8月16日)
こんにちは、うさりん。8月になって一段と暑くなってきたね。
本当だね。僕は走るのが得意だけど、この暑さだと木陰で何回休憩しても足りないね。汗だくだよ。あれ?かめりんは涼しげな顔をしているね。
実は、今日は車に乗ってきたの。冷房をフル稼働させたから快適だったわ。
そうだったんだ。亀でも車を使えば移動は早いね。
最近では車もガソリンやハイブリッド、電気と、燃料だけを切り取ってみてもたくさんの種類があるわね。
そうだね。燃料で思い出したんだけど、かめりんは合成燃料って知っている?
知っているわ。
僕には内容が何やら難しくて…。説明してほしいな!
お任せあれ!資源エネルギー庁によると、合成燃料は二酸化炭素(CO2)と水素(H2)を合成して製造される燃料で、複数の炭化水素化合物の集合体のことよ。人工的な原油とも呼ばれているんだって!
CO2と水素で作れるんだね。CO2はどこから手に入れるの?
いい質問ね。私も気になって調べたんだけど、いまのところは発電所や工場から排出されるCO2を使うみたいよ。将来的には、大気中のCO2を直接分離・回収する技術を使って、CO2を再利用する方法が考えられているの。
CO2をリサイクルして資源にする、ということだね!
そうね。水素は電力エネルギーを使って、水から水素をつくる水電解によって調達する方法をベースに考えているそうよ。合成燃料の使用には既存の設備を活用できるメリットもあるわ。
環境への負荷を減らせるし、メリットが多いんだね!
自動車のほかに航空機などの燃料になると期待されているの。ただ、製造技術の確立と製造コスト軽減が課題といわれているわ。技術研究や実証が不可欠で、日本でも石油会社や自動車メーカーが協力して研究を進めているみたい。
研究に励んでいる方々には頭が上がりません。脱炭素に向けて進んでいるんだね。
国は現時点で2040年の商用化を目標としているけれど、商用化の前倒しも検討するとの方向性を示しているわ。
日本のように資源に乏しい国や地域にとって、人工的な石油は宝石のようだね。カーボンニュートラルの推進にもつながるし、商用化される将来がとても楽しみ。
合成燃料が商用化されたら、私も使ってみたいと思っているわ。
車のスピードは変わらないのかな?
うさりんは早いものが大好きなのね。
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(文:櫻井 )
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