第231回 ~e-メタンって何? ~の巻(2023年9月13日)
最近、新しいエネルギーの開発競争ってすごいよね!
たしかに。
これって一体、どうしてなの?
ひとつは二酸化炭素の排出量をできるだけ減らすという環境面の問題があるの。できる限り二酸化炭素を生み出さないエネルギー源が必要だわ。もうひとつは地政学といわれる問題ね。ウクライナにロシアが軍事作戦を開始した影響で、ロシア産の石油や天然ガスが手に入りにくくなったよね。こういった急な供給の途絶に備えて、各国がエネルギーを自給する必要もあって、新しいエネルギー源の開発に力を入れているのよ。
なるほどだね。この間も、新しいエネルギーのことを聞いたよ。その名も、“いいメタン“!
あ~、うさりん、それは“いいメタン“じゃなくて、“e-methane(e-メタン)“ね。
e-メタン? あたまに“e“がつくから、インターネット上のメタンってこと?
ははは。たしかに、eメールとか、eコマースとかいうインターネット用語があるね。でも、“e“はインターネットを指すんじゃなくて、“電子“とか“電気“という意味なんだよ。
へえ~。じゃあどうして、"メタン"に電気をさす“e“がついているの?
これはe-メタンを作るために、電気が使われているからなんだ。
え? 電気?
そう。電気を使ってメタンを合成するの。だから、e-メタンは合成メタンともいわれているのよ。 【第221回 ~「カーボンニュートラル~メタネーション技術」とは何だろう? ~の巻】 も参考にしてね。
ふ~ん。そもそもメタンって、ガスだよね。
そう。e-メタンは都市ガスと品質が似ているの。だから、このe-メタンの供給には、すでに揃っているガスの設備を使うことができるわ。このため、設備投資のお金が少なくて済むのよ。
そうなんだ! でも、e-メタンいったい何からできているの?
原料は水と二酸化炭素なのよ。
えっ! 水と二酸化炭素!?
そう。水は、電気分解して、水素を取り出すために必要なのよ。
じゃあ、二酸化炭素は?
二酸化炭素は、発電所や工場から排出されるものを回収して、原料にするのよ。だから、大気中に出る二酸化炭素を結果的に減らすことができるの。環境にやさしいガスね。
なるほど。じゃあ、e-メタンはやっぱり“良いメタン“なんだね。
確かに、環境からみれば“良いメタン”ね。(笑)
【お知らせ】 このコーナーに対するご意見、ご質問は、下記まで 電話 03-3552-2411 メール [email protected] |
(文:橋本 )
「やさしいエネルギー講座」から出題!
e-メタンの原料は何かな?
正解と思ったボタンを押してみよう。
エネルギーの知識をさらに深めたい人は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会の検定に挑戦してみよう!
(リム情報開発は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会を応援しています)