第239回 ~物流の「2024年問題」ってなんだろう? ~の巻(2024年1月10日)
明けましておめでとう!うさりん、今年もよろしくね。
こちらこそ今年もよろしく~。今年のトピックスとして物流の『2024年問題』という言葉を聞いたんだけど、いまひとつピンと来なくて。どんな問題なんだろう。
ザックリいうと、トラックドライバー不足で貨物の輸送力が低下し、貨物を運びきれなくなるのではないかという問題のことだね。
なるほど。でもドライバー不足は何年も前からニュースになっていて、決して目新しい問題ではないよね。労働環境が良くないから人が定着しないとか…。なぜ『2024年問題』と改めて話題になるのかな。
労働基準法の改正で2024年4月以降、トラックドライバーの時間外労働、つまり残業時間の上限が年間960時間に制限されるからなんだ。時間外労働が制限されれば、ドライバーの労働時間が短くなり、その分貨物の輸送力が低下することになる。
従来問題視されていたドライバー不足に加えて、現在働いているドライバーの労働時間も法改正で規制されるから、これまで以上に人手不足が深刻化しやすいということか。なぜ時間外労働を制限するんだろう。
法改正の狙いは政府主導でドライバーの労働環境を改善することなんだ。ドライバー離れが進めば、将来的に物流網が維持できなくなるからね。国土交通省はこのまま手を打たなければ2030年にトラックの輸送力が貨物量に対し34%不足すると試算している。
確かに知り合いのトラックドライバーも『長時間労働が多くて辛い』と嘆いていたよ。違反者に対する罰則はあるんだろうか。
違反した事業者には6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科される可能性があるんだって。将来的には上限が年720時間まで引き下げられる可能性もあるみたい。
エネルギー業界に対しては何か影響はあるのかな。
ドライバー不足でトラックの稼働率が落ちれば、トラック燃料に使う軽油の需要が減るかもしれない。また燃料全般でみてもタンクローリーの運転手不足で納期が延びたり、配送運賃の引き上げといった動きが出てくるかもしれないね。
輸送力の逼迫、事業収益の維持を考えれば、運賃引き上げは仕方がないよね。ぼくも4月以降の状況に注目するよ。
【お知らせ】 このコーナーに対するご意見、ご質問は、下記まで 電話 03-3552-2411 メール [email protected] |
(文:西江 )
「やさしいエネルギー講座」から出題!
2024年4月以降のトラックドライバーの時間外労働の上限は?
正解と思ったボタンを押してみよう。
エネルギーの知識をさらに深めたい人は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会の検定に挑戦してみよう!
(リム情報開発は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会を応援しています)