第241回 ~カシューナッツでクリーン発電?! ~の巻(2024年2月7日)
2023年4月からカシューナッツの殻が、再生可能エネルギーとして国の電力買取(FIT・FIP)制度の対象になったって本当かい?
そうなの。成長の過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するカーボンニュートラルなバイオマス燃料として認められたの!カシューナッツだけじゃなく、ココナッツ、くるみ、アーモンド、ピスタチオなどのナッツ類の殻もFIT・FIP制度の対象になったわ。
カシューナッツは栄養もあって美味しいばかりか、排出された殻が環境にやさしいエネルギーになるなんて素晴らしいじゃないか!
カシューナッツの殻は乾燥していて比較的燃料性が高いの。また、殻から抽出した油は『Cashew Nuts Shell Liquid(CNSL)』と呼ばれ、改質することでバイオディーゼル燃料としても利用できると言われているわ。
ますます期待が高まるね! ところで、カシューナッツはどこで生産されているの?
国際連合食糧農業機関(FAO)によると、カシューナッツは2022年に世界で約385万トン(殻付きベース)生産されていて、そのうちの9割以上がアフリカとアジアで生産されているわ。国別にみると、コートジボワール、インド、ベトナムがトップ3ね。
とすると、コートジボワールにカシューナッツの殻がたくさん眠っているということかな。
それが必ずしもそうではないみたい。コートジボワールなどのアフリカの生産国はカシューナッツを加工する技術が乏しくて、多くを殻付きのまま輸出しているみたいなの。コートジボワールは生産量の約8割を殻付きで輸出しているわ。
殻付きのカシューナッツはどこが輸入しているの?
生産量2位のインドと、3位のベトナムの2国が大半を輸入している。両国で食用に加工され、自国で消費されたり、欧米などの需要国に輸出されているのよ。ちなみに、2022年の殻なしカシューナッツ輸出量はベトナムが42万5,000トンと世界で最も多くて、自国消費の多いインドの9倍以上よ。
ということは、インドとベトナムにカシューナッツの殻が大量に眠っていそうだね!
そうね。ベトナムでは実際に商社が日本の発電所向けに殻の収集を行っていて、それまで廃棄物だった殻に値段が付いて上がり始めているみたいよ。
しかし、実際に燃料として使うには課題もありそうだね。
パーム椰子殻(PKS)と比べ発生量が少ない。また、海外で集めて日本に運ぶには手間もコストもかかるので、燃料にはしづらいとの指摘もあるよ。なので、現地でバイオマス発電所を建設して燃料とすることでカーボンクレジットを生み出して活用した方が賢明との見方もあるよ。
なるほど。今後、どれくらい日本で使われるか注目だね!とても勉強になったよ、かめりん、ありがとう!
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(文:須藤 )
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2022年のカシューナッツ(殻付き)の生産量が世界4位の国は次のうちどこでしょう。
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