第244回 ~韓国の油類税減免措置、いつまで続く? ~の巻(2024年3月20日)
うさりん、突然だけど、韓国の油類税って知っている?
初めて聞いたよ。油類税というくらいだから、ガソリンや軽油にかかる税金かな?
大正解!韓国政府はいま、その油類税の引き下げ措置を取っているの。この措置の対象にはガソリン、軽油のほか、液化石油ガス(LPG)も含まれているわ。
そうなんだね!税収が減ってしまうと思うけど、政府はどうして引き下げたの?
この政策は2021年11月に始まったの。当時、原油市況が急激に上昇し、石油製品価格の値上がりが続いたことから、政府は物価対策が必要だと判断したのね。ガソリンや軽油、LPGの値上がりは国民生活への負担が大きいからね。
なるほど。引き下げ率はどれくらいなの?
ガソリン、軽油、LPG全て、37%減免されたときもあったわ。2024年3月時点でガソリンが25%、軽油とLPGは37%のまま。ちなみに韓国政府はこの政策の終了期限を何度も延期しているんだ。ここで問題!延期した回数は何回でしょう?
全然想像がつかない。勘で4~5回!半年に1回くらいかな?
残念。正解は8回でした。最近だと、今年の2月に延期を決めたわ。いまのところ4月末で終わる予定だとか。
たくさん延期しているんだね。中東情勢が予断を許さないし、また延期するのかな?
それが、韓国国内では『4月末で終わるのではないか?』と予想する声が出てきているみたいなんだ。
え、どうしてなの?何かあったのかな。
韓国では4月に総選挙があるの。国民からの支持を集めるために4月末まで政策を続けている、と考えている市民が一定数いるんだって。
なるほどね~。真相が気になるね。もし政策が終了するとなると、どういう影響が出そうなのかな?
韓国国内で、税金が安いうちに在庫を貯めようとして、仮需が発生する可能性が考えられるわね。また、石油精製会社も内需に対応することを想定して、輸出数量を抑えるということもありえる。韓国はガソリンや軽油の輸出国だから、彼らからの供給が減少すると、北東アジアやシンガポールなどで一時的に取引価格が上がるかもしれないわね。
なるほど!勉強になった。韓国の総選挙に合わせて、エネルギー政策にも注目だね。
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(文:櫻井 )
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