第253回 ~使えそうで使えない、ゴロゴロピカピカ雷様? ~の巻(2024年7月24日)
かめりん、こんにちは!! 今日はかめりんの家にお邪魔していいかな~。
いらっしゃい! うさりん。あら、顔色がだいぶ悪いわね。どうしたの?
実は昨日、自宅周辺がひどい天気で、雷もすごかったんだよ。
落雷もあって、エアコンが壊れてしまったんだ。
被害がかなり広範囲だったから、近所のお宅のエアコンが軒並み壊れてしまい、電気店の修理の予約が取りづらくて。
エアコンが修理されるまで、かめりんの家に避難させてくれてないかなあ。エアコンなしで頑張って過ごしてきたんたけど、もう体力の限界だよぉ~。
この季節にエアコンなしは、地獄だわね!! もちろん、いいわよ。
あがって涼んでちょうだい。
かめりん、ありがとう!
それにしても、雷のせいでエアコンが壊れることって本当にあるのね。
どういう仕組みなのかしら?
落雷時に一時的に過剰な電圧・電流が流れてしまう『雷サージ』という現象が原因なんだよ。
この『雷サージ』は、『直撃雷』や『誘導雷』から発生するんだ。
それって、どうしても防げないものなの?
『直撃雷』は言葉のとおり、直接、対象物に落ちる雷のことだから、雷自体をなくすことができない限りは、防ぐのは難しいね。
『誘導雷』の方は、周辺の電話線・アンテナなどに落雷して、そこで発生した過剰な電圧・電流が建物内に流れ混むものだから、雷サージ保護付の電源タップ、コード等などの基材で対策をすれば、被害を減らすことはできるかも。
雷自体がすごい威力があるのだから、
そのエネルギーを再利用できないものなのかしら?
本当にそう思うよね。でも意外なことに、
雷って再生エネルギーには向かないと認識されているんだ。
えっ、そうなの!?
あんなにゴロゴロ、ビカピカ、ドッシャーン!!!って、強力な感じなのに?
1回の雷が持つ電気のエネルギーは電圧にすると
約1億ボルトといわれていて、確かにすごい威力だよ。一般家庭で使う電気の電圧を約100ボルトくらいとすると、
その100万倍はあるから、理論的には100万世帯まかなえることになるよね。
それ'なのに使えないのって、なんだかもったいない気がするわ。
そうなのだけど、工業的に使う電気分も含めると、あまりにも少ないんだ。
また、落雷が発生するタイミング、落ちる場所を事前に正確に把握する技術も、いまはまだないんだ。さらに瞬間的に発生した約1億ボルトレベルの電圧・電流を受け止め、蓄電する設備を作る技術もないんだよね。
つまり、今のところ雷を日常の生活エネルギーとして利用するのは現実的ではないという認識なんだよ。
太陽、風力、地熱など自然の力を利用するのはエコロジカルで有効な手段と思っていたから、
雷もその1つにならないかなと思ったけど、そんなに扱うのが難しいのね。
雷は設備を壊すほか、広範囲にわたる火事の原因になったりと、災害面の方が大きいから、どうやって防ぐかという研究の方が盛んだね。
でも、その研究の延長線上に、エネルギーを有効活用できないか真剣に研究し続けている人たちもいるんだよ。
やっぱり雷も自然エネルギーの1つだもの、有効活用できるようになるといいわね。
さ、うさりん、私の特製雷かき氷を召し上がれ。
うわーん、かめりん、ありがとう!シロップも奇麗な黄色で、
本当に雲の中の雷みたいだね!
熱中症予防に塩レモン味よ。これで元気に夏を乗り切りましょ!
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(文:寺島 )
「やさしいエネルギー講座」から出題!
1回の雷が持つと思われる電気のエネルギーの電圧は、どれかな?
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