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  • 第262回 ~バイオ燃料が温室効果ガスの削減に有効?~の巻
    (11/27 12:00)

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    第256回 ~カーボンオフセット燃料って何? ~の巻(2024年9月4日)

    うさりん、日本でカーボンオフセット燃料っていうのが売られ始めているみたいなんだけど、何だか知っている?

    もちろん知っているさ!石油製品や液化石油ガス(LPG)、天然ガスなどの化石燃料は燃やすと二酸化炭素(CO2)が出るでしょ?これをクレジットによってオフセット(相殺)することで、実質的にCO2を排出していないとみなすことのできる燃料のことだよ。

    クレジット?

    クレジットというのは、CO2を削減したことを証明する証書みたいなものなんだ。例えば、かめりんが自宅の給湯機を燃費の良い新型のものに買い替えたとする。そうすると、古い給湯器を使い続けていた場合よりもCO2の排出量を一定量減らしたとみなすことができるよね?この削減分について証明書が発行されるわけだ。これがクレジットさ!

    そんなことして何になるのかしら?

    クレジットを、自社の事業で出たCO2を減らしたい会社に譲れば、その会社がCO2を減らしたとみなすことができるんだ。今はお金を払ってでもCO2を減らしたい、もしくは減らさなければならない会社が出てきていて、クレジットに値段がついているんだよ。

    そうか!カーボンオフセット燃料というのは、化石燃料とそのクレジットがセットで販売されている燃料のことなのね!

    ご名答!燃料の種類によって、燃やした際に発生するCO2の量は予め決められているんだ。環境省によると、例えば、ガソリンは1キロリットル燃やすとCO2が2.29トン発生する。工場なんかでよく使われるA重油は2.75トン出てくるよ。

    CO2発生量が多い燃料の方がオフセットするクレジットの必要量も多くなるということね。

    リム情報開発が発行する『クリーンエネルギーレポート』によると、日本政府がクレジットとして認めている「J-クレジット」の価格は省エネルギーによって創出したものでCO2トンあたり1,650円程度。例えば、これでA重油1キロリットルの燃料から出てくるCO2を相殺しようとすると、1,650円程度×2.75トン=4,500円程度の費用がかかることになる。

    月100キロリットル程度のA重油を使う工場だと、毎月45万円くらいかかってしまうということね。これはなかなか大変な負担になるわね…

    そうなんだ。なので、現状はクレジットの購入には消極的な会社が多いみたいだよ。まずは使用している燃料の使用量を減らすとか、水素やバイオ燃料といったクリーンな燃料に置き換えるなどの取組みを優先しているようだよ。

    なるほど!今後どうなっていくのかクレジットの動向にも注目していく必要がありそうね!大変勉強になったわ、うさりん。どうもありがとう!

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    (文:須藤 )
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