第257回 ~生成AIの普及により電力が足りない?! ~の巻(2024年9月18日)
カメリン、いま流行りの生成AIを使っている?
試しに使ったことはあるけれど、回答があまり納得のいくものではなかったから、最近は使っていないわ。
生成AIは日々ネット上の膨大な知識を学習しているため、近い将来に人類の知能を超えるとも言われているんだ。だから、そのうちカメリンが納得できる回答を得られるかもしれないね。ところで、生成AIのひとつであるChatGPTは、ユーザーから1回の問い合わせに回答するために、どれぐらい電力を消費すると思う?
考えたこともなく、思いつかないわ。
国際エネルギー機関(IEA)の試算によると、生成AIが1回の問い合わせに回答するには約2.9ワット/時の電力がかかる。従来の検索エンジンと比べて10倍以上の電力を消費する計算なんだ。
ただ検索するだけなのに、なぜそんなに消費電力が多いのかしら。
従来の検索エンジンはキーワードを入力すると、関連性の高いと判断されたネット上の情報をランキング表示する。一方、生成AIは過去に学習したデータに基づいて、問い合わせに対して文章の形式で回答するため、高速性能装置グラフィックス・プロセシング・ユニット(GPU)と呼ばれる装置での演算が必要となり、データをやり取りする間に膨大な電力を消費するというわけ。
なるほど。進化し続ける生成AIはアーティストが作り出すようなリアルの音楽や動画をつくることもできるのよね。ということは、これから世界中で電力消費量がもっと増えるのかしら。
1分間の動画を文字に換算すると約180万語、Webページに換算すると約3,600ページ分に相当すると言われている。文字だけの情報に比べて、音楽や動画などの情報量は圧倒的に多いから、今後、生成AIの普及により電力消費量はもっと増えるだろうね。
IEAの推定では、2022年の全世界のデータセンター、人工知能および暗号通貨に使用した電力消費量は約460テラワット時(TWh)で、これが2026年に1,000TWhを超える可能性があるんだ。日本全国の年間消費電力に匹敵する規模だよ。
え~、僅か4年間でデータセンターでの電力消費量が倍増するのね。真夏にはエアコン用の電力と競争になりかねないわ。
日本の資源エネルギー庁は6月、AIの社会実装に伴うデータセンターの電力消費急増の課題に対し、有識者会議を開いて今後の対策について検討を始めたんだ。夏場の電気の取り合いが杞憂に終わればいいね。
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(文:方 )
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