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  • 第262回 ~バイオ燃料が温室効果ガスの削減に有効?~の巻
    (11/27 12:00)

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    第258回 ~水素燃料船の開発・内航海運のゼロエミッション化を目指して ~の巻(2024年10月2日)

    ねえ、うさりん。『H』な話をしない?

    うん。僕たちの間で『H』といえば『水素』のことだね。参考:第144回 ~「水素」ってどうやって作るの ~の巻(2020年4月8日)

    今回は船の話なんだけどね、日本国内で水素を使って船を動かすプロジェクトが進んでいるの。

    へぇ、実現すれば、温室効果ガス(GHG)削減に大きく前進だね。

    日本財団が2022年から進めている『ゼロエミッション船プロジェクト』は内航船のゼロエミッション化を目指し、水素燃料船の開発を進めているの。

    内航船?

    国内で荷物を運搬する船舶のことよ。内航船は外航船に比べて船体が小さいから、代替燃料の選択肢が狭いの。

    外航船はLNGやLPGなどのガス燃料の竣工が相次いでいるし、バイオディーゼルの運用やメタノール、アンモニア船の開発も進んでいるよね。

    うん。でも、内航船はバイオディーゼルを運用するか、燃料電池(FC)搭載船くらいしか選べないの。

    それは困ったね。

    『ジャパンハイドロ株式会社』が開発したタグボート搭載用の軽油水素混焼中速エンジンはA重油(軽油)と水素を混焼して船を動かすんだって。

    へぇ、でもA重油を使ったらGHG削減効果が限られちゃう。水素だけを燃やす専焼エンジンを早く作った方が良いと思うんだけど?

    そう思うでしょ?

    技術的に可能なら、一刻も早く専焼エンジンを作るべきだと思うよ。

    今のままでは水素が足りないのよ。

    どのくらい足りないの?

    日本政府が掲げている水素社会に必要な水素の供給量は年間2,000万~3,000万トンと言われているの。一方、現在の水素の販売量は1万2,000~1万3,000トン。うち燃料用途に使われているのはたった200トン・・・

    全然足りないじゃん!!!

    そうなの。だから、水素が手に入る時は水素を使い、そうでないときは軽油でも航行できる混焼エンジンが有効なの。

    まずは、燃料としての水素を運用する実績作りからってことだね。

    運用が積み重なれば、やがて市場ができて、供給網も充実するはず。そこで専焼エンジンの出番!という未来予想図を描いているの。

    『千里の道も一歩から』だね。

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    (文:小泉 )
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