第264回 ~原油や石油製品の流動点とは何 ~の巻(2024年12月25日)
最近、朝晩は特に、ずいぶん寒くなってきたわね。いよいよ本格的な冬の到来ね。
もうすぐ、庭の池に氷の膜ができるかもしれないな。そういえば、かめりん、水が氷になるように、石油製品や原油に流動点(Pour point)というのがあるのは知っている?
流動点? 石油製品や原油は通常は液体だから、それが流動しなくなる温度のこと?
そうそう、さすが、かめりん。いいところに気が付いたね。流動点とは液体の低温での流動性を示す指標なんだ。
そういえば、昨年、スキーに行った時に、自動車の調子が悪くなったことがあったわ。それもこれと何か関係があるのかしら?
そうなんだ。ディーゼルエンジン搭載モデルの車は、軽油が使用されており、軽油に含まれているワックスの流動性が低下すると、エンジンの回転数が落ちたりしてエンストを起こす恐れがあるみたいだね。
なーるほど。BMWやフォルクスワーゲンなど欧州の自動車メーカーのブランドを中心に、ディーゼルエンジン搭載のがモデルが多く輸入されているみたいね。だから調子が悪くなったのかもね。ところで原油の場合はどうなの?
原油は油種によって流動点が違うんだ。
油種によって?例えば?流動点の違いによってどんな影響があるの?
例えばインドネシア産のミナスやウィドリといった原油は流動点が摂氏30度くらいと高く、常温では固体となるんだ。そのため、常に加熱するシステムが必要となるため、コスト高になるとみられているようだね。
流動点が高いと、すぐに固まりやすいので対策が必要なのね。
そうそう。なので加熱のほかに、流動点降下剤の添加といった措置も場合によっては必要になるみたいだね。長期に保存するには適していないとみられているようなんだ。
手がかかるのね。そのため、コスト高になり、需要家によってはその原油の評価落ちるのかもね。まあ、備蓄には適していないわね。
そのとおり。
反対に、流動点の低い原油としてはどんなものがあるの?
例えば中国の需要家が継続して購入しているロシア産エスポは、流動点がマイナス40度くらいと低いんだ。南米産原油のメーレーなども流動点が相当低かったはずだな。
そうなのね。エスポは流動点が低いので、中国の北部など寒冷地の冬でも問題なく処理できるのね。
そうそう。
なるほど、原油にもいろんな種類や特徴があるのね。勉強になったわ。ありがとう。うさりん。
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(文:高木 )
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