記者の眼記者の眼

第195回 (2023年5月17日)

 「ゴールデンウイーク(GW)のレギュラーガソリンの販売量はいかがですか?」とSS関係者に尋ねると、「前年並みでまずまずの売れ行きだった。ただ、コロナ前と比べると89割くらい。コロナ前に戻ることはないんだろうね」と口を揃える。

 

 今年は3年ぶりに行動制限のないGWだったこともあって、各地で混雑が予想されていた。SSの店頭出荷にも期待が満ち溢れていた。ただ、蓋を開けてみると期待外れだったとの声もちらほら聞こえる。後半戦の天候不順が影響したとはいえ、前年を大幅に上回ることはできなかったのだ。ここ数年のEV自動車の増加、高燃費車が増えたことで、年々ガソリン需要が減っていると関係者は言う。

 

 何とか売り上げを伸ばそうと業界では異業種コラボが目立ち、定番化しつつある。大手スーパーやコンビニと、ピザや唐揚げなど飲食業界と、さらにストレッチ専門店との提携もあり、集客につながっているようだ。ある関係者からは「これからはSS単体の出店はやめて、コラボ店を増やしていく予定。単体店舗の売上は年々落ち込んでいるが、スーパーとの協業は好調」との声も寄せられた。

 

 どの業種も試行錯誤を余儀なくされるんだな。リムも石油やガス中心のレポートを発行してきたが、脱炭素の動きに合わせ、最近ではバイオマスやクリーンエネルギーレポートにも力を注いでいる。エネルギー情勢の変化をしっかり見極め、記者としてその変化を読者に伝えられるよう努力していきたい。

 

(林)

 

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